旅猫by浦研プラス&欧研プラス

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ヨーロッパ移住への道!14『ドイツのインターネット事情』

 ドイツの銀行口座を開設できたことで、その後の展開が開けてきました。その中で、僕が最も待ち望んでいたのが住居のインターネット環境の構築です。
 そこで、現在のドイツのインターネット事情について調べました。
 最も一般的なのは『Telecom』、『Voderfone』などの電話通信・携帯電話会社がプロバイダーとして提供しているタイプで、こちらは『DSL』という電話ケーブル回線を使用してインターネットに繋ぐものです。その『DSL』にも種類があって、『50』、『100』など、通信速度を指定して契約することができます。
 ちなみにドイツでは日本の『光回線』にあたる高速通信サービスはないのですが、TVのケーブル配線を利用する『UnityMedia』というプロバイダーは高速通信が売りらしく、知人からは『UnityMedia』を勧められました。
 当時、住居にインターネット環境がなかった頃の僕は、街中の公共Wifiやカフェなどのお店のWifiを探してさまよい歩く生活を続けていました。Jリーグの試合動画を観るときなどは朝早くに近くのカフェの開店時間直後にお店へ入って(ドイツと日本とはサマータイムで7時間の時差があるからです)、カフェラテを注文したらすぐさまバッとパソコンを開いて画面を凝視しているものだから、店員さんに顔を覚えられてしまって、その後は僕がお店に行くと何も言わなくてもカフェラテが出てきました。ただ、やはり街中のWifiは回線速度が遅いため、動画の解像度が荒くて選手の背番号すら視認できないことも……。
『ああ、早く家のネットを繋ぎたい!』。
 当時はいつも、そんな思いを抱いてカフェに居座っていたのです。
 ちなみにドイツのカフェは僕以外にも長居をする方が多く、僕が朝に行って作業を終えて一旦帰宅し、夕方にその辺りを歩いてカフェを覗いたら、朝に見かけたおじさんがまだ居たということもありました。なので僕も2、3時間くらい居ても店員さんに何も咎められなかったのは幸いでした。
 また、ドイツでは『Telecom』などのプロバイダーが日額や月額などの有料制で公共Wifiの提供を行っていて、その電波が届く範囲ならばお金を払うとWifiを利用できます。例えばフランクフルト市内では、その有料Wifiの電波が街中のいたるところで飛んでいて、かなりの確率で受信が可能です。また普通の住居でも電波が拾える可能性もあるため、さっそく僕の住居内でもトライしてみました。すると……。
 拾えた! 拾えました! 『Telecom』の公共Wifiが拾えたんです。ただし、ちゃんとインターネットができるのは家のキッチンの約1メートル四方の範囲だけ! でも、部屋の片隅の極小スペースであれば家でもインターネットができるので、早速加入して動画を観てみました。時々止まるけど、それでも動画は観れた! ただ、時間帯や天候(?)によっては全く繋がらないこともある。しかも電波の繋がる場所を少しでもずらすとダメ……。身体を小さく丸めて穴の中に籠もるような格好をしないとネットができないなんて……。ああ、早くちゃんとしたインターネット環境を築きたい! でも、以前の項でもお話した通り、現地のプロバイダーとインターネット回線開設の契約をするには、ドイツの銀行口座が必要だったのです。
 よーし! 『N26』というドイツのネット銀行の口座が開設できたから、速攻でプロバイダーのお店へ行こう! そういえば、すぐそばの商店街に『UnityMedia』のお店があったな。

僕「インターネットを繋ぎに来ましたよ」
お店のあんちゃん「おお、それは良かった。まあ、まあ、ここに座って。コーヒーでも飲む? そんで、君の家はどこ?」
僕「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。僕、ドイツ語ができなくて、英語で話せますか?」
お店のあんちゃん「ああ、英語で大丈夫だよ。そんで、君の家はどこよ?」
僕「(ホッ)ここから2分くらいの距離です」
お店のあんちゃん「いやいや、そうじゃなくて、住所教えて。それで、まずはウチのテクニシャンが君ん家へ行けるかどうか調べるから」
僕「テクニシャン? なんの?」
お店のあんちゃん「いや、違う、違う。君の家にインターネットを繋ぐ工事の人のことだよ。おっ、ホントにここからすぐ近くだね。オーケー。大丈夫だ。君に家へテクニシャンを送るよ。今、手続きするね。インターネットのプランはこれでいいよね? 今なら半年間は毎月のインターネット料金が割引されるから」
僕「いや、ちょ、待って。これ、2年間は必ず契約しなきゃいけないプランですよね?」
お店のあんちゃん「ん? というか、ウチには2年縛りの契約しかないよ。ドイツでは他のプロバイダーもだいたい2年縛りだね。すぐに解約されると困るからさ」

 ああ、そうでした。事前に調べていたんですけども、ドイツのプロバイダーは長い契約期間を設定するのが常なんです。しかも、契約当初は割引するのですが、その割引期間が過ぎると倍の料金が設定されているケースもあるんです。『UnityMedia』の場合はそこまで高い金額設定ではなかったので、しぶしぶお店のあんちゃんの勧めに従いました。

お店のあんちゃん「よーし、契約手続きができたぞ。じゃあ、テクニシャンが来るまで楽しみに待っててくれ!」
僕「テクニシャンの方は、いつ家に来てくれるんですか?」
お店のあんちゃん「ん? その用紙に書いてあるだろ。●月●日。一か月後だな。事前に君の携帯電話へSMSが送られてくるから、その日は家に待機していてくれ。君がいないとインターネットの回線を繋げられないから」
 えーっ! 1か月後! テクニシャン、そんなに忙しいんですか? せっかく住居にインターネットを繋げられると思ったのに、その楽しみはまだまだ先の話……。
 で、インターネット開設の日が近づいてきたのですが、ここで次々に問題が発生! その顛末は次回に記します。
(続く)