
シント・トロイデン
ベルギー・リンブルフ州の都市、シント・トロイデンへ行ってきました。
ドイツ・フランクフルトからシント・トロイデンまではICEでケルンを経由してドイツ国境沿いの街であるアーヘンを過ぎ、ベルギー領内に入って一旦リエージュという街で乗り換えます。リエージュは今年の3月に日本代表がマリ代表、ウクライナ代表と試合をした街で、僕も取材をしましたが、当時は春先だったのでまだ寒く、夏真っ盛りの今回はまったく趣の異なる町並みに感じました。
そしてリエージュからシント・トロイデンまではランデンという駅で乗り換えて約40分の行程。フランクフルトからは乗り換え時間を含めて総計4時間30分くらいと、結構時間が掛かるんです。
シント・トロイデンはとても小さな町で、中心街は瀟洒な教会や小綺麗なショップ、レストランが建ち並びますが、10分くらい歩くと、のどかな草原の風景が広がります。
僕が行った日曜日は町の広場でお祭りのようなものが開催されていて、なんと気球が上げられていました。籠のようなものに乗り込んだ人々が上空に吸い込まれていくのですが、少しの風で籠が揺れるので落ちやしないかと見ている僕の方がヒヤヒヤ。結局何事もなかったので一安心ですが、小さな町で結構スケールの大きなイベントをしているんだなぁと、なんだか感心してしまいました。
また、街の規模が小さいからなのか、中心部の広場やレストランで知り合い同士が挨拶し合っているシーンを何度も見かけました。たぶん大抵の方が知り合いで、このコミュニティで穏やかに暮らしているのでしょうね。
また今回泊まったホテルは、今までヨーロッパ各都市で宿泊したホテルの中でも一二を争うくらいにホスピタリティが素晴らしいところでした。フロントは夜遅くになると閉まってしまうので事前にチェックイン時間を知らせなければならないのですが、21時前に着いたときにはフロントの方、そしてホテルに住んでいる犬に歓迎されました。部屋は採光が良く、ベッドも大きく、バスルームがとても広い。また冷蔵庫は共用スペースにあるのですが、そこにはワインやビール、チーズなどのおつまみがぎっしり詰まっていて、自己申告で利用できるのです。フロントの方がテラスに案内してくれて、『ここで風に吹かれながらビールを飲むと最高だよ!』と言い、『今年の夏は暑いから、この大型の扇風機を使ってね。これ、ミストシャワーが出るから、上半身裸で浴びてもいいよ』なんて言われました。ユーモアがあって心遣いも素晴らしい。この後、街中に繰り出してレストランへ行ったときにも感じたのですが、町の人々の大半は英語を介してくれ(シント・トロイデンはオランダ語圏)、僕のような観光客、訪問客に対してとても優しく接してくれます。同じベルギーでもブリュッセルなどの大都市は少し冷たい雰囲気があるのですが、この町の人々は朗らかで快活な方が多いような気がします。
初めて訪れたシント・トロイデンは色彩豊かで鮮やかな、太陽の光が眩しい町でした。
大迫力だった気球。辺りは明るいですが、夜の9時です 知り合い同士が寛ぎながら食事を楽しむ。とても穏やかな町です 町の規模はとても小さいですが、清潔で清々しい空気をまとっています 小さいけれど、静謐で心遣いが行き届いている、素晴らしいホテル 経由地であるリエージュの『リエージュ-ギユマン駅(Liège-Guillemins)』。スペインの建築家、サンティアゴ・カラトラヴァが建築した屋根が映えます