浦レポ by 浦和フットボール通信

十分に現実的な条件を残した第1戦、前向きな要素と負債と【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯準決勝第1戦 横浜FM戦】

(Report by 轡田哲朗)

柴戸がスタメン起用、両サイドは安居と小泉を配置

浦和レッズは10月11日のルヴァン杯準決勝第1戦で横浜F・マリノスに0-1で敗れた。プレビューでも触れたように、この大会は今シーズンからアウェーゴールのルールが撤廃されているので、シンプルに180分の試合の前半を0-1で終えたということ。例えば、第2戦を浦和のホームで2-1で終えたとしても、アウェーゴール差でマリノスの勝ち抜けとはならず、延長戦に入ることになる。だから、もちろんリードして終えられればいいし、ビハインドよりは同点で終わる方がいい試合だったけれども、同じ1点差負けの中でスコアによる優劣はない。これは、先に押さえておきたい。

この大会はレギュレーションにより年末時点で21歳以下の日本人選手を1人以上スタメンに含めないといけないので、早川隼平がトップ下に起用された。右サイドに安居海渡、左サイドに小泉佳穂という2列目で、負傷者の関係で関根貴大しかいないにしても比較的ウイング色のあるプレーヤーは置かず、髙橋利樹のような逆サイドから入ってくるストライカーというタイプの選手を置いたわけでもなかった。また、安居を右サイドに配置し、伊藤敦樹が日本代表に選出されていることもあって柴戸海が岩尾憲とダブルボランチを組んだ。4日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ハノイFC戦で柴戸の45分間には好印象だったし、その45分間は岩尾との交代だったことを考えると組み合わせを見るという点でも楽しみな部分のあるスタメンだった。また、準々決勝と同様に初戦は牲川歩見にチャンスを与える選択肢も気にしていたのだけど、シンプルに西川周作を起用する選択だった。

マリノスがどれくらいのメンバーで来るかは気にしていたけれども、前線に外国籍選手をそのまま3枚起用してくるなど、まずまずこのタイトルを取りに来たなという印象を受けた。彼らの21歳以下の選手起用はボランチに山根陸を起用するものだった。早川にしても山根にしても、この世代の選手がチームの中央部分でタイトルに近いステージのゲームに出場できることは大会の意義の1つに挙げられるだろう。

柴戸の良さと、どうしても発生する危ない場面

マリノスはウイングとサイドバック、あるいはボランチの関係でサイドバックとセンターバックの間を攻略してくる攻撃が多いチームだけれども、そこを潰す意味で柴戸の良さが出ている場面も少なからずあった。彼らしいと感じたのは前半20分を少し前にした場面のプレーで、2段階で逆サイドの位置まで消していくようなものがあった。

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