浦レポ by 浦和フットボール通信

実直なプレーで王者に対抗 献身性を見せた選手たちの姿【轡田哲朗レッズレビュー/J第2節横浜FM戦】

(Report by 轡田哲朗)

まず1試合、公式戦をできたことに感謝の気持ちを

浦和レッズは4日のJ1再開初戦、第2節の横浜F・マリノス戦を0-0で引き分けた。新型コロナウイルスの感染拡大により中断されたリーグ戦は、一時は緊急事態宣言の発令にまで至ったことから、本当に再開される日が来ることも想像できない時期もあった。それを考えれば、もう一度サッカーができる日に向けて全力を尽くした関係者の方々や、社会を支えてくれている医療従事者の方々がいなければ迎えられなかった1日だった。少しでも感謝の気持ちが伝わればと思う。

それに加え、私は限られた人数になった埼玉スタジアムに入るメディアの1人に運よくなれたけれども、そのスタジアム周辺に人が集まっているような姿がなかったのはホッとした。一足先に再開したプロ野球や、Jリーグでも他会場にそうした光景があったことなども聞くが、少なくともその部分において浦和サポーターがとった理性的な行動には敬意を払いたい。そして、多くのメディアで紹介されたスタジアムの内部、6万席をクラブカラーのビニールシートで覆い、ビジュアルサポートを完成させたクラブの心意気も素晴らしかったと思う。

スタメンの人選と交代枠のルール変更について

その中で前年度王者を迎えることになった試合は、少なからず大槻毅監督が相手をリスペクトして入ったと言って良いだろう。中盤の人選に右から長澤和輝、青木拓矢、柴戸海、汰木康也と並べたメンバーは、3人の強度が高いタイプと1人のキレのあるタイプ。もしかしたら汰木のところに関根貴大を入れるまで考えたかもしれないが、そこは少しバランスを見たようにも思う。

その上で2トップは興梠慎三と杉本健勇が組んだ。レオナルドが試合の登録メンバーに入らなかったことは驚きを与えたかもしれないが、この試合で杉本が果たしていた役割を考えると、少し仕方ないかなという感もあった。もしレオナルドを使うなら、興梠が杉本の仕事をするか、興梠を外すしかないかなというところもあったが、もう少し相手ボール時の穴が大きくなった可能性の方が高かっただろう。

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