浦レポ by 浦和フットボール通信

最終節に札幌に勝利も今季は4位で終える ミシャ監督の会見は大荒れに・・・【試合取材後記 今日のミックスゾーンから】

(Report by 河合貴子)

選手たちの表情も暗く

浦和を愛する人々からも愛された小野伸二選手のラストゲームでもあり、浦和にとっては他力本願ながら3位を目指す大切な試合であった。ペトロヴィッチ監督の粋な計らいで小野選手が先発出場し、浦和の赤と札幌の赤で真っ赤に埋め尽くされた札幌ドームは熱気に包まれていた。

試合開始から攻守においてアグレッシブに仕掛ける浦和であったが、札幌のマンツーマンDFに少し手を焼くことになってしまった。一方の札幌は、小野選手がスルーパスや直接FKなどで見せ場を作るもゴールに導くことができずに22分、両チームの選手たちが作り出した花道を通り26年間のプロサッカー選手に幕を下ろした。

浦和はしっかりとポゼッションを試みた。札幌はピッチの幅を使いワイドへと飛ばしのパスを入れて揺さぶりをかけるが、両チームともになかなか決定機が作れない。浦和が前半に放ったシュートは3本、札幌は4本であった。

試合が動いたのは、後半だ。浦和は怪我から復帰した伊藤敦樹選手に替えて安居海渡選手、エカニット・パンヤ選手に替えて中島翔哉選手をピッチへと送り込み後半に挑んだ。52分、関根貴大選手からエリア内でパスを受けた大久保智明選手が、宮澤選手のプレスを交わそうと仕掛けると宮澤選手のハンドとなりPKを獲得。浦和のPK職人アレクサンダー・ショルツ選手が、しっかりとGKの逆を突き先制点を叩き出した。

その直後である。荒野選手のアーリークロスに抜け出した青木選手のヘディングシュートが浦和ゴールへと襲い掛かってきたが、西川周作選手がしっかりと阻止しゴールを死守。ここで失点をしていれば、ゲームの流れは完璧に札幌へと傾いていっただろう。

さらに札幌は、69分に小柏選手のサイドチェンジをブロックしたこぼれた球へ猛ダッシュで関根選手と競り合いながら走りこんできた中村選手がエリア内でバランスを崩して倒れるシーンがあった。ノーファールの判定に、ペトロヴィッチ監督含めて札幌側は猛抗議したが判定が覆ることはなかった。1歩間違えればPKになっていたかもしれないシーンであった。

追加点を狙う浦和は、前線のカンテ選手がロングボールを収めて攻撃を仕掛けていく展開となった。そして72分、ショルツ選手のFKを前線でカンテ選手がヘッドで逸らし、中島選手エリア内でしっかりと収めて反転しながら放ったシュートがゴールへと突き刺さった。トラップからシュートまで中島選手の個人技が輝く、浦和初ゴールであった。浦和は、最後の笛が鳴るまで集中を切らさず、2-0と完封勝利で飾り最終戦を終えた。

この時点で浦和の3位の順位を決める注目の1戦である福岡対広島はスコアレスであった。スコアを確認して「良し!」とつぶやいたのは束の間、仲間の記者から「試合終了間際に荒木が決めて広島が勝った」と聞かされてガックリ。浦和は4位で今シーズンを締めくくった。1戦、1戦の積み重ねた結果だ。真摯に受け止めるしかない。

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