浦レポ by 浦和フットボール通信

テーマが多すぎる負け方 対策の振れ幅、個と組織、一体感の作り方……【轡田哲朗レッズレビュー/J第33節横浜FM戦】

(Report by 轡田哲朗)

両チームにある順位や勝ち点の差が妥当な試合

浦和レッズは29日のJ1第33節、横浜F・マリノスとのアウェーゲームに1-4で敗れた。目の前の優勝がどうのこうのは相手のことなのでどうでも良いし、マリノスが優勝に値するチームなのかどうかの評価もするつもりはない。ただし、シンプルに順位表で7つ、試合前時点で勝ち点18差があるチームの対戦そのままの差を見せつけられるものになった。

浦和は22日のトレーニングマッチではプレーしていたダヴィド・モーベルグが結局ベンチメンバーからも外れて、キャスパー・ユンカーと江坂任、さらに松尾佑介もどちらかと言えば前線に近い役回りでスタメンに並んだ。これは相手ボール時のマリノス対策をベースにして、上手く引っ掛けて奪ったところから背後へのスピードを生かす起用という点で理解はできた。それが上手に機能したかは別の話として。

リカさんのマリノス対策と、わずか16分での破綻

この試合はテーマが多いので、まずリカルド・ロドリゲス監督の全体的なマリノス対策を振り返っておきたい。途中で微調整を加えるものの、基本的にはマッチアップを多く作る形で役割を分担した。ユンカーにアンカーの位置に入る喜田ときどき渡辺を捕まえさせつつ、両脇の江坂と松尾がプレス要員。センターバックまで出られる時は出ていくし、その時は連動して大久保と大畑がサイドバックまで出ていく。それが難しい時に江坂と松尾はサイドバックまで下がって勢いを吸収し、大久保と大畑はマリノスの両ウイングにあたるエウベルと水沼まで下がる。中央ではユンカーが捕まえていないボランチに伊藤敦樹か岩尾憲が出ていって、西村をもう1人が見るという感じだった。

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