浦レポ by 浦和フットボール通信

ホセ・カンテが最後の埼スタで涙 引退撤回を求めた時の反応は?【試合取材後記 今日のミックスゾーンから】

(Report by 河合貴子)

埼スタラストゲームのカンテの決勝ゴールで2位を死守

ACLグループステージ突破に向けて、わずかな望みをつなぐためにはホームの埼玉スタジアムで武漢に勝利して2位を死守しなければならなかった。できることであれば、大量得点が一番望ましい結果であった。アウェイ・浦項戦で退席処分となったマチェイ・スコルジャ監督の代わりに指揮を執ったのは、ラファル・ジャナスコーチであった。

浦和の主軸である酒井宏樹選手と伊藤敦樹選手を怪我で欠き、その上に明本考浩選手も出場停止、過密日程で迎えた武漢戦だが、ブライアン・リンセン選手、高橋利樹選手、大畑歩夢選手も先発で起用し、試合開始から攻守においてアグレッシブな姿勢を見せていった。

6分には、右ウィングで起用された小泉佳穂選手のクロスに逆サイドから走りこんできた高橋選手のシュートがゴールネットを揺らした。幸先の良い先制点と思われたが、DFの背後を突いて荻原拓也選手のスルーパスに抜け出した小泉選手がオフサイドの判定となりノーゴール。

徐々に武漢も流れを掴み、アジズ選手のスピードを活かした攻撃をみせはじめ一進一退の攻防となっていった。試合が動いたのは、34分だ。荻原選手のクロスに合わせようとしたリンセン選手が、ドン・ファンエン選手に倒されてPKを獲得。浦和のPK職人のアレクサンダー・ショルツ選手がしっかりと決めた。

このまま勢いに乗っていきたい浦和であったが、43分に大畑選手が自ら負傷交代を要求するアクシデントがあり関根貴大選手と交代、さらに高橋選手が相手との接触で脳震盪の疑いがある事態となり緊急搬送されることになってしまい大久保智明選手と交代を余儀なくされてしまった。

後半、追加点を狙う浦和であったが武漢も引き下がらない。攻撃を活性化するために、ホセ・カンテ選手、アレックス・シャルク選手、エカニット・パンヤ選手を投入して3枚替えの準備をしていた矢先、68分にダヴィッドソン選手の巧みな個人技が光るシュートが決まり同点とされてしまった。

だが、この3枚替えで浦和は猛攻を仕掛けていった。決定機を作り出していくものの決めきらない。刻々とタイムアップが迫る中、90分、大久保選手のクロスのこぼれ球を拾ったカンテ選手の魂の籠った左足のミドルシュートが決まり2‐1。
大量得点とは行かなかったが、グループステージ突破に向けた貴重な勝ち点3を手に今シーズンのホーム最終戦を締めくくった。

ACLグループステージ突破に望みを繋げた決勝弾を置き土産に引退を表明したカンテ選手が、浦和を愛する人々に挨拶しながら場内1周する姿を目に焼き付けてから記者席を離れた。

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