欲しかった久々の1勝、結果でチームを引っ張ってラストスパートに【轡田哲朗レッズレビュー/ACL武漢戦】
(Report by 轡田哲朗)
引き分け以下なら敗退だったが可能性はつながった
浦和レッズは11月29日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第5戦で武漢三鎮(中国)に2-1で勝利した。10月20日の柏レイソル戦で勝利してから引き分けか負けの試合が続いていたチームなので、40日ぶりの勝利ということになった。埼玉スタジアムで行う今季の最終戦という要素もあったが、勝ち負けのつくものに関わる集団が負け続けて良くなっていくことはあまりないので、チームの空気感という意味でも大きな1勝になったのではないかと思う。
この試合で勝ち点3を取ったことによりベスト16進出の可能性はつながった。ただし、次のハノイFC(ベトナム)戦で引き分け以下に終わった時点で敗退となる。浦和の最終戦はクラブ・ワールドカップ(W杯)に出場する関係で他のグループより1週間早く終わるので、6日のハノイ戦を勝利した後にその条件は整理したい。
この武漢戦では最前線にブライアン・リンセンが起用され、トップ下は中島翔哉が25日のアビスパ福岡戦から連続スタメンになった。髙橋利樹が左サイドハーフに起用され、小泉佳穂が右サイド。これは左サイドバックの大畑歩夢が交代して荻原拓也が左サイドに移った時に左右を入れ替えたので、荻原と小泉を縦関係に配置したいという考えがあったのかもしれない。
狙い通りのプレーがいくつかあった右サイド
武漢は試合の立ち上がりは5-2-3のような感じでプレッシャーをかけてきたが、徐々に浦和の左サイドにいるシャドーの30番は中盤のラインに吸収されていくようになった。一方で右サイド側の11番は高い位置にステイしたので、片側の高い5-3-2のようになっていた。そこからウイングバックの15番が11番の背後を埋めるように前へ出てくるので、そのスペースに誰かが走り、そこに5番がスライドして中央の23番と間が空いたところへリンセンが入り込むなんていう場面がいくつかできていた。
前半6分にオフサイドでゴールが認められなかった場面は割とわかりやすく、タッチライン際ではないものの荻原がボールを持った時に15番が出てきたので小泉のワンツーで外すと、荻原にボールが戻った時には5番が出てくる。この時に中島が15番と5番の背後にあたるスペースに出て、23番まで釣られてきたところで小泉も背後に飛び出した。試合後に小泉が「あれが決まっていれば楽だったんだけど」と話したのも理解できる狙いが出た場面だった。
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