浦レポ by 浦和フットボール通信

浦項に悔しい完敗も下を向いている選手はいなかった ミックスゾーンでは懐かしいOBの姿もあり話ができた【試合取材後記 今日のミックスゾーンから】

(Report by 河合貴子)

首位に立つ浦項に完敗

ACL連覇に向けて、グループステージ突破するためには重要な一戦であった。首位に立つ浦項を甘く見ていたわけではないが、連戦を考慮して浦和の主軸である酒井宏樹選手とアレクサンダー・ショルツ選手、岩尾憲選手などをベンチに温存し、直近の柏戦のスタメンから6選手を入れ替えて挑んだ。ホームの埼玉スタジアムで浦項に勝って首位に立つ目論見が、もろくも崩れ0-2の完敗を喫してしまった。

相手の策にはまったというよりも、自滅に近い内容の敗戦であった。試合開始からマンマーク気味のプレスで球際に厳しく来る浦項の勢いに押され、浦和の攻撃はままならい状態であったが、浦項にも決定機を作らせなかった。

だが、22分にいとも簡単に浦和の守備のバランスが崩れた。右のウィングで起用された高橋利樹選手が、前線からはめこむプレスのスイッチを入れるものの連動性が生まれず、空けてしまったスペースをパク・スンウク選手にフリーでインナーラップされ浦和のDFを引き付けたところで左サイドへと展開し、キム・スンデ選手のアーリークロスに走りこんできたチョン・ジェヒ選手のマークに大畑歩夢選手がついていたが、右足のダイビングボレーシュートが決まってしまった。気迫のこもったゴールであった。

先制した浦項は、その流れに乗ってピッチの幅をうまく使い揺さぶりを掛けたり、ゼカ選手の個人技が光るシュートを放ったり、カウンターを狙ったりと浦和ゴールへと襲い掛かってきた。ビハインドを負った浦和もリンセン選手と高橋選手の2トップへと変更し反撃を試みたが、攻撃のリズムが生まれない。ゴールネットを揺らすことができずに0-1で前半を折り返した。選手を鼓舞する浦和を愛する人々の声が虚しく聞こえてしまうぐらい、浦和は闘えていない前半であった。

後半、荻原拓也選手と柴戸海選手に替えて、酒井宏樹選手と怪我明けの中島翔哉選手をピッチへと送り込み高橋選手のワントップとしリンセン選手を左のウィングへとポジションを代えると、浦和に良いリズムが生まれだした。

だがその矢先、右サイドで小泉選手の縦パスを受けた中島選手がボールを失うと、一気に逆サイドのキム・インソン選手へと展開され、鋭いカウンターからのクロスをファーサイドへフリーで走りこんだコ・ヨンジュン選手に冷静に流し込まれて0-2。

浦和は、59分にリンセン選手に替えて大久保智明選手、69分に小泉選手に替えて怪我明けの明本考浩選手を投入し攻撃を活性化した。果敢に攻め込む浦和であったが、浦項の牙城を崩しきれない。76分には、伊藤選手に替えて岩尾選手を投入するも浦項ゴールを脅かすこともできずに0-2の完敗であった。

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