浦レポ by 浦和フットボール通信

狙いが発揮されはじめて今季初勝利、次につながるだろうプレーも【轡田哲朗レッズレビュー/J第3節C大阪戦】

(Report by 轡田哲朗)

スタメンは1人、18人で見ると3人が入れ替え

浦和レッズは3月4日にリーグ戦の3試合目でセレッソ大阪と対戦し、2-1で勝利した。先にリードを許す展開で、もし西川周作のビッグセーブがなく0-2になっていたらと思うと危ない部分もあったが、酒井宏樹のスルーパスから興梠慎三が獲得したPKをアレクサンダー・ショルツが決めた同点ゴールで、少しチームは落ち着いたように見える。あらためてゴールの大切さを感じさせるような試合展開だった。

スタメンの変更はブライアン・リンセンから興梠に最前線が代わったのみだったが、ベンチ入り18人という視点でいくと岩波拓也、平野佑一、安居海渡の3人が新たに入った。8日にはルヴァン杯の開幕戦になる湘南ベルマーレ戦があり、そこから11日のリーグ戦ヴィッセル神戸戦までは中2日。マチェイ・スコルジャ監督がトレーニングマッチを経て起用してみたいと思った選手も、このあたりで1回転するのではないだろうか。

セレッソは新加入のジョルディ・クルークスとレオ・セアラが入っていて、試合後の小菊監督のコメントにもあるように昨季から進化すべくトライしているという。一般的に現状維持イコール後退となっていくプロスポーツにおいて、チームをスケールアップさせるためにはリスクを背負うもの。「昨年は浦和と試合をして、ほとんどの試合で守備でコントロールする試合が続いた。今年のビルドアップから保持、ファイナルゾーンへという取り組んできた攻撃には成長が見られた。昨年の強みだった守備のところはここ数試合、失点が続いている。難しい両輪だが、強みを強固にしていくことの必要性も感じた」と話していように、簡単ではないにしてもなんとか「足し算での成長」を望むのは自然な流れだろう。浦和の目線で昨季に4回やって1分3敗だった相手のストロングポイントが少しズレたところはあるにしても。

プレスが成功した場面と、コストパフォーマンスの問題

浦和はマチェイさん就任からちょっと独り歩きしている感もある「ハイプレス」という言葉の通りに前に出ていこうとしたが、キム・ジンヒョンの高いプレス回避能力によって想定以上の距離を前の4人が走らされた。終わってみて、交代枠で使用した4人の選手が誰に代わって入ったかと言うとこの4人なので、ボディブローのように効いていたのは間違いない。それでも、プレスが成功した場面もあるのでそれもちょっと見てみたい。

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