浦レポ by 浦和フットボール通信

連戦だからこその戦術的なキャッチボール キーワードは「ローテーション」【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯準決勝第1戦 C大阪戦】

(Report by 轡田哲朗)

リーグ戦の試合を受けて、変化をつける必要があった浦和

浦和レッズは21日のルヴァン杯の準決勝第1戦、セレッソ大阪とのアウェーゲームに1-1で引き分けた。このスコアは8月に準々決勝で名古屋グランパスを相手に勝ち抜けた時と同じ流れになる。当時と同じように「この大会は2試合合計が同点だった時にアウェーゴール差で決着させるルールがあるので、敵地で1得点した引き分けは55対45くらいの優位性なのではないか」という言葉を繰り返しておきたい。

昨季も同じようにセレッソと準決勝で対戦して、その時は初戦のホームを1-1で引き分けた後にアウェーで敗れた。その前のリーグ戦でどちらが良い形で勝利していたのかを含め、同じようにして正反対の状況が生まれていると言えるかもしれない。それを踏まえてみると、セレッソはうまくいったやり方を変える必要がなく、浦和に工夫が必要だったのがこの試合に向けた両チームによる「戦術的なキャッチボール」の機微だったと言える。昨季はここが逆だった。

浦和は酒井宏樹、大畑歩夢、鈴木彩艶が代表活動で不在だった。そこでリカルド・ロドリゲス監督は推進力を出せる関根貴大を右サイドバックに起用する選択をした。セレッソはリーグ戦の浦和戦と比較するとGKだけ入れ替わっている。これは意外と影響があったけれども、全体的に見れば浦和が変化をつけるターンだったのは間違いない。

変化をつけようとしたのは分かるが、機能性が上がらなかった前半

スタート時点での狙いはサイドバックを内側に入れる「ローテーション」だった。右サイドを例にとると、センターバックが少し開き気味になったところから相手の前を通過して岩波拓也までボールが入った時に、ダヴィド・モーベルグが相手を連れて下がってくる。そこに対して関根が内側を取って縦パスを受けようという狙いだ。その時に関根が相手ボランチに捕まると意味が無いので、伊藤敦樹と前から降りてくる小泉佳穂が相手を食いつかせてストップする。その浮き位置を使っていこうという狙いだった。これは右サイドに限らず左サイドも同じようなことを狙いにしていた。

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