浦レポ by 浦和フットボール通信

ゼロトップとゼロチャレンジ あくまでもプランBにするべき【轡田哲朗レッズレビュー/J37節清水戦】

(Report by 轡田哲朗)

勝利以外は何もない試合で敗れ、4位以内は消滅

浦和レッズは27日のJ1第37節、清水エスパルス戦に0-1で敗れた。今季のホーム最終戦での敗戦は、天皇杯の結果次第でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を得られるリーグ4位の可能性を消滅させた。結果的に他会場の結果を見れば、このゲームに勝利していると鹿島アントラーズの結果次第にはなるものの、最終節に名古屋グランパスに勝利することで得失点差の関係なく上位にいく状況を作っていた。だから、この試合に関して言うと非常にもったいない結果だったと言える。

清水はこのゲームにJ1残留争いがかかっていて、引き分けでも大きな一歩と言える状況にあった。一方の浦和は、勝利以外は意味のない状況だった。だが、残念ながらそうした状況を覆い隠してこの試合を第三者に見せたなら、浦和が何が何でも勝ち点3が必要なチームだったと思ってもらうのは難しいだろう。それくらい、ゴールに対する圧力を感じない試合になってしまった。最終的に失点までしたのは本当に余計だったが、この試合に関して言えば点を取られたことよりも、この状況のチームが無得点で終わっていることの方が大きな問題だ。ゴールを奪う必要があることを意識しすぎたあまりに少々バランスを崩してカウンターを受けたという方が、まだ納得がいく。

メンバーは、前節の横浜F・マリノス戦と似たような選手が並びつつも、4-4-2ベースの並びに戻した。こうなると予想した理由はプレビューに記したのでここでは省きたい。

前にチャレンジできる場面を止め、安全圏に下げる

清水は1回4-4-2のブロックを構えたところからスタートして、後ろの枚数が問題なく「GO」をかけられる状態になったら出ていく。どちらかといえば「受け」の色が濃い方向性の非常にオーソドックスな守備のやり方だと言えて、ここに何か新しいことや特徴を見出すものではなかった。逆に言えば、ボールを持つところからスタートする相手チーム、この試合では浦和だが、そのチームの攻撃に十分な質があればゴールを奪うことはできるはずだと言える。つまり、この清水を崩して具体的なチャンスに発展させられなかった浦和の攻撃は、とても質の低いものだったと言わざるを得ない。

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