【島崎英純】2014シーズン・選手総括―興梠慎三(2015/2/6)
FW 30 興梠慎三
2014シーズン採点 7
リーグ戦 31試合12得点
ヤマザキナビスコカップ 5試合0得点
天皇杯 1試合2得点
ベストゲーム Jリーグ第24節・柏レイソル戦
場所を選ばない
興梠慎三は2013シーズンに続き、2014シーズンもチームの大黒柱として絶大なる力を発揮した。
シーズン始動当初、興梠の周辺にはひとつの懸念があった。それはイングランド・プレミアリーグのサウサンプトンからFW李忠成が移籍加入したことだ。サンフレッチェ広島時代にミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制下でプレーし、日本代表FWとして国際試合を経験し、ケガなどで実績を得られなかったとしてもヨーロッパの舞台で研鑽を積んだ李がチームに加わったことは、興梠にとって高いモチベーションになったはずだ。
チーム内競争が激化したからといって、興梠は動揺するようなキャラクターではない。彼は常にマイペースで日常的にはあまり感情表現を表に出さない人物である。普段の練習では目立たないようにチームの取り巻きから少し離れたり、目出し帽で顔を覆ってひとりでそそくさと帰路に着いたりする。またトレーニングマッチでは飄々と淡々とプレーし、得点を決めても平然としていたりもする。ただ、その興梠の態度には明確な理由がある。彼にとって精魂を込めるべき時は公式戦のピッチ上にしかなく、最も大事な舞台で力を発揮するために黙々とエネルギーを貯めているのである。ライオンやトラなどの肉食動物は普段睡眠を取っている時間が長い。それは食料を得るための狩りに備えているからだが、興梠の所作はまさにそれに似ている。まあ、彼のあの髭面の風貌はまさにライオンを想起させるのだが…。
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