浦レポ by 浦和フットボール通信

昨季と同じ開幕2戦未勝利、その違いと今後をどう考えるか【轡田哲朗レッズレビュー/J第2節東京V戦】

(Report by 轡田哲朗)

ウイングが大量欠場してしまった難しさはあったものの

浦和レッズは3月3日にリーグ戦の2試合目、ホーム開幕戦となった東京ヴェルディ戦に1-1で引き分けた。そのホーム開幕戦という条件において観客数が5万人を超えたのは11シーズンぶりということだったが、残念ながらその期待に応えるような結果と内容ではなかっただろう。ゴールにつながりそうな場面はかなり少なかった。指標というほどのものではないが、例えばDAZNが公式にYoutubeで公開しているハイライト動画なんかを見れば、普段の試合ではまず取り上げなさそうな場面まで入れて何とか時間を稼いでいるような構成になっている。それくらい勝敗そのものだけでない部分で厳しいものがあった。

2月23日の開幕戦と同じメンバーになった浦和だが、その背景には前田直輝が発熱により出場を回避した要素もあるだろう。ウイングの左右は右に関根貴大、左に松尾佑介でサンフレッチェ広島戦と逆だったが、その効果をどうこう考えるところに至らなかった感もある。いずれにせよ、前田、オラ・ソルバッケン、大久保智明、安部裕葵に加えて、ブライアン・リンセンも合わせればウイングでプレーできそうな選手が5人欠場だったわけだから交代カードも含め難しさはあった。結果的に、交代の後は練習でもあまりやっていなさそうなウイング起用になっていた。ただ、負傷者以外で唯一といっていいほどウイングでトレーニングに入ることのある早川隼平をベンチに入れなかったので、ペア・マティアス・ヘグモ監督は必ずしもポジションの中だけでない序列の組み方をしている。その辺は岩尾憲のインサイドハーフ起用と安居海渡が2試合連続でベンチに入らない理由とも似た部分がありそうには見える。

インサイドハーフやウイングの裏抜けについて

どの話題から手を付けていいのか難しいような感もあるが、まずは試合後の記者会見で話題になった部分からが良いかなと思っていて、ヘグモさんは「インサイドハーフの裏抜けという重要なプレーが欠けていた。また、ウイングも背後に抜けて相手の脅威になる場面が少なかった。相手にとって少し守りやすいプレーになってしまったと思う」と話した。この「裏抜け」のところから見てみたいと思う。

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