浦レポ by 浦和フットボール通信

前半戦のラストは厳しさの見える敗戦 編成の面から31試合を簡単に【轡田哲朗レッズレビュー/J第21節 C大阪戦】

(Report by 轡田哲朗)

動けていない感が顕著、この1試合を掘り下げる意味は「?」

浦和レッズは7月16日にリーグ戦の21試合目でセレッソ大阪と対戦して0-2で敗れた。細かいところを振り返る必要性に疑問符をつけたくなるほど、基本的にはコンディション的な部分であまりにも動けていなかったし、ちょっとした止める、蹴るのところのブレがゲームを難しいほうに運んでいったところもある。PKを獲得した場面のように良かった場面がないとは言わないし、伊藤敦樹が良いポジションまで進出したところでトラップが流れてしまったような惜しい場面もあった。ただ、トータルすればキックオフの笛が鳴る前の部分にこの結果を招いた要素がたくさんあるように見えた。

酒井宏樹がスタメンに戻ってきたのは驚きの1つだった。競り合いの所作なんかを見ても100%だったようには見えないが、それでもなおピッチに立たせたいと監督に感じさせることは選手としての価値を示している。また、試合の登録メンバーという観点だと小泉佳穂が戻ってきて、早川隼平もベンチに入った。それに加えてホセ・カンテが攻撃的なニュアンスの交代をするカードだったとは思うけれども、カンテはそもそも興梠慎三と90分間のプレータイムをシェアすることがほとんどなので、何か+1の攻撃カードとは見づらい。小泉はどちらかと言えばリードした展開を落ち着ける部分でも力を発揮できるようなタイプで、柴戸海もスコアを維持する展開のほうが起用の想定はしやすい。そうなると、そもそも先制された時点で交代の使い方を含めたプランは崩れたのかもしれない。髙橋利樹や平野佑一、あるいはブライアン・リンセンあたりをベンチに置けたら、また戦略的な強みと弱点は変わったのかもしれないが。

明らかなフル稼働メンバーと、2列目が残した数字の厳しさ

このゲームに関してはあまり細かく振り返る意味の大きなものと感じないので、少しシーズン前半戦をトータルしてみていきたい。まず、浦和がどのくらいの試合をどの程度の日程でやってきたのかを見ていくと、リーグ21試合に加えてルヴァン杯で6試合、天皇杯を2試合、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で2試合を消化しているので、合計で31試合になった。開幕が2月18日だったので、ほぼ5か月で(実際には22週間)で消化した試合数で、カレンダーを見直してみると試合のない週末はなかった。4月1日と2日に試合がないかなと思ったら3月31日にリーグ戦の金曜日ゲームが入っていたので、これは週末に数えたい。そうなると、まったく休みのない22週間の中で9回の水曜日ゲームをこなしたという見方もできる。これはなかなか大変な日程だったが、天皇杯に勝ち残っている他のJ1クラブとの比較だとACLの2試合が多いだけという言い方もできるので微妙なラインではある。とはいえ、その2週間が5月から6月にかけて回復するタイミングを難しくするような負担になったのは事実だろうけれども。

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