浦レポ by 浦和フットボール通信

ゼロトップはOK、しかし・・・ シーズン終盤戦に向け大切にしたいもの【轡田哲朗レッズレビュー/J32節G大阪戦】

(Report by 轡田哲朗)

ユンカー欠場で明本に託されたゴール前への圧力

浦和レッズは16日にリーグ第32節のホームゲーム、ガンバ大阪戦に1-1で引き分けた。試合内容を見れば勝つべきゲームであって、本当にもったいない勝ち点を落としたと言える。もしかしたら、ガンバの視点で試合を見る人には何かしらの進歩などが見えた試合だったのかもしれないが、浦和の視点で見ても、あるいはフラットに見たとしても、浦和の方が明らかに勝ち点3に近いゲームだったと言えるし、それを獲得すべきだった。

メンバー発表時点で驚いたのは、キャスパー・ユンカーがベンチにもいなかったことだが、試合後にリカルド・ロドリゲス監督は「内転筋に違和感があり、全力プレーができない。メディカルの問題で今日は外した」という趣旨のコメントをしている。だから、欠場理由は明確で、復帰した後に何かしらテクニカルな理由でスタメン起用をしない決断をする可能性はあるが、この試合の時点ではあまり考えなくてもいいだろう。その状況で、前線で相手ゴール前にプレッシャーをかける役割は明本考浩に託されて、周辺でサポートするのが江坂任、両サイドあるいはその内側からゴール前をうかがうのが関根貴大と汰木康也。そして、左のクロッサーとして山中亮輔が配置されるバランスになった。

明本の適正ポジションがどこなのかという議論は別にして、このゲームに関してはボールを支配できる試合における山中の有用性が多くの人に伝わったのではないかと思う。彼は相手ボール時、特にゴール前を締めるかどうかのところに過去のゲームでいくつか不安に思わせるプレーをしたことがあるが、このガンバ戦のような試合展開になれば多彩な蹴り分けのできるクロスが武器になる。相手を背負った状態で一度受けることも求められる2列目に起用できるタイプの選手ではなく、単独突破に最大の良さを見出すタイプではないから、状況の見える後ろからサポートしてきてアーリークロスとオーバーラップの2択がある4バックのサイドバックが本当にベストという選手なので、このような試合展開は彼が最も生きるものになった。

山中を生かした左サイドの作り方

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