ストライカー全部乗せの同点劇で引き分けスタート アジア連覇への一歩目【轡田哲朗レッズレビュー/ACL武漢戦】
(Report by 轡田哲朗)
少し選手をローテーションして始めたゲーム
浦和レッズは9月20日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ初戦、武漢三鎮(中国)とのゲームにアウェーで2-2と引き分けた。後半アディショナルタイムに入ってから、クロスのこぼれ球をホセ・カンテが強烈な左足シュートを叩き込んでの同点劇で、負けから入ってもおかしくないところを引き分けスタートにできた。同組のもう1試合で浦項スティーラーズ(韓国)がハノイFC(ベトナム)をアウェーで4-2と下していることから考えても、このグループは日中韓の3チームが首位を争う構図が濃厚で、それだけにそのうちの1つとアウェーでの引き分けは悪くない結果だった。
マチェイ・スコルジャ監督はリーグ戦で多くの出場機会を得ている選手を中心にしつつも、ブライアン・リンセンや大畑歩夢、岩波拓也、髙橋利樹をこの試合のスタメンに送り込んだ。終わった後に記録だけを見るとリンセンを除く3人がハーフタイムで交代になっているのは「うーん」とならないこともないが、この日程の中ではある程度こうやって選手を回しながらでないと乗り切れないだろう。岩波は前半にイエローカードをもらったことも大きいと予想される。
大久保智明と中島翔哉、オフィシャルな情報はないが恐らくアレックス・シャルクが負傷で離脱して、酒井宏樹も100%の稼働が難しい状態に見える。安部裕葵やエカニット・パンヤは期待できる存在だが、分からない部分が多すぎて計算できるかという問いへの答えは難しい。ベンチ入りを含め1試合の登録人数が23人に増えたとはいえ、平野佑一や宮本優太、馬渡和彰のようにあまりにも長く公式戦から離れてしまっている選手もいて、なかなか選手を回せていない場所も垣間見える。選手起用の濃淡がハッキリしてくるのはシーズンが後半から終盤と呼び始める時期に入ってくると自然なことの1つだが、ある大会の開幕時点という見方をすると厳しく、これがシーズン制のズレなのかと感じるところもあった。
リンセンを生かそうとすれば1つ目のタイミングでシンプルにクロス
試合の頭に会場の雰囲気も手伝ったような相手のラッシュで失点してしまったのは残念だが、国際大会のアウェーゲームはこのようなものという言い方もできる。もちろん無失点で進むのが望ましいが、そこでガタガタといって2点目を与えなかったことは評価されていいだろう。浦和がホームゲームを戦った場合を想像すれば、試合の頭で点を取っておきながら追加点なく徐々に盛り返されてきたら嫌な雰囲気になる。それはこの試合で逆の立場だと言えるので、必ずしもうまくいったと言えない部分の多い前半を1点ビハインドで終えておけたのは大きかった。
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