浦レポ by 浦和フットボール通信

強いチームが必ず持つ「ブースト」を発揮 覚悟の決まった一戦【轡田哲朗レッズレビュー/J第28節 G大阪戦】

(Report by 轡田哲朗)

中国遠征から想像以上に回復、カンテは2試合出場停止に

浦和レッズは9月24日にリーグ戦の28試合目でガンバ大阪と対戦し、アウェーで10人になりながらも3-1で勝利した。ホセ・カンテが退場処分になったのは1-1の同点、記録上は後半13分だがそれまでの判定にかかった時間を考慮すれば、約40分間のプレータイムがあると考えられる時点。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の中国遠征から移動込みで中3日という厳しい日程で迎えたゲームで、さらにその苦しい状態を乗り越えた。もちろん、カンテの行為は不用意でチームを難しい試合に追い込んでしまったし、すでに発表されたように彼のリーグ戦2試合出場停止が痛手なのは事実だが、酒井宏樹の言う「こうやって勝つことによって彼もポジティブに反省することができる」のは本当にその通りだと思うので、チームだけでなく同点ゴールを決めてくれた彼のことも救った勝利になった。

浦和は酒井が中国遠征の回避から復帰して、その武漢戦を45分のプレーで終えていた関根貴大とマリウス・ホイブラーテン、約30分のプレーだったカンテがスタメンに復帰。他は90分近くプレーした選手をどれくらい入れ替えるかなと注目していたのはプレビューでも記したとおりだが、コアメンバーを代えることなく戦った。結果からの逆算になることを承知で、想像以上に動けるコンディションに戻せたことや、多くの試合を同じようなメンバーで戦ったことによる練度の部分で選択が功を奏したところは感じられた。

ガンバは今月ルヴァン杯の準々決勝2試合で戦ったのとほぼ同じ感じで、ネタ・ラヴィは宗教的な面も絡む理由で欠場だったようだ。ただ、最初の段階で少し触れるけれどもダニエル・ポヤトス監督も浦和に合わせる部分を試合のピッチには少し出していた。

宇佐美のところが怪しい感じのガンバと、そこが手厚かった浦和

ガンバは浦和のビルドアップに対して、ファン・アラーノを岩尾憲の番人にするような形の4-4-1-1で合わせてきて、攻撃の時には4-3-3に戻るような感じになっていた。ただ、アラーノとジェバリの分担で言うと、ジェバリがアレクサンダー・ショルツ、アラーノがマリウスの前からスタートする感じだったので、場合によってはジェバリが開いた4-3-3のような感じになることもあった。宇佐美の守備的な能力と伊藤敦樹の位置取り、人数バランスからガンバが薄くなる場所と浦和が手厚い場所が噛み合った結果として右サイドからの前進が多くなった。

(残り 3245文字/全文: 4293文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ