浦レポ by 浦和フットボール通信

安心感のある試合運びで突破 良い部分でチームに力を貸してもらうこと【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯準々決勝 G大阪戦】

(Report by 轡田哲朗)

選手起用いろいろ、牲川にチャンスを与えてほしかった気持ちも

浦和レッズは9月10日のルヴァンカップ準々決勝第2戦でガンバ大阪に3-0で勝利し、2戦合計スコアを4-0として準決勝への進出を決めた。アウェーでの初戦を1点リードで終えていたこともあり、前半の早い時間帯でセットプレーによる先制ゴール(追加点)が決まったことで突破への道は大きく開けたと言えた。

このゲームは、その先制点を奪ったブライアン・リンセンが6月の天皇杯2回戦以来のスタメン出場だった。また、年末時点で21歳以下の選手を必ず1人スタメン出場させなければいけないという大会レギュレーションを満たす選手としては早川隼平が初戦に続いての出場。ただ、そのポジションは初戦の小泉佳穂とトップ下と右サイドを入れ替わってのものになった。結果的には、この配置転換は吉と出た。また、早川は準々決勝の初戦でイエローカードを1枚受けているので、次のカードを受けると1試合出場停止になってしまう。それによる救済措置はないので、その時には堀内陽太がスタメン出場することになる。この辺はマチェイ・スコルジャ監督もハーフタイムで交代にしたところで考慮したかもしれない。

酒井宏樹とアレクサンダー・ショルツの2人は、マチェイさんが試合に先立っての記者会見で起用の可能性を示していたが、実際にはショルツを途中出場でサイドバックに送り込んだのみだった。実際に日の目は見なかったものの、昨年の沖縄キャンプの時に当時のリカルド・ロドリゲス監督が富士フイルム杯への準備段階でショルツを左サイドバックに置いたシステムを準備していたのは見たことがあるが、それ以外でのパターンは初めてだった。酒井がなかなかフル稼働の難しい可能性を感じさせる時があるので、岩波拓也のパフォーマンス次第では最終ライン全体のクオリティーを見るという意味で、オプションにはなり得るのかもしれない。

また、GKは西川周作が起用された。彼のプレーに何の不満もないのは前提として、牲川歩見にタイトルの懸かったタイミングの試合を経験させる、それにふさわしいGKに成長していることを証明するチャンスを与えてもいいのではないかという考えは今でもある。それこそ、決勝まで進んでもこの大会を彼に任せるという選択肢を持っても良かったのではないかというのはあるので、どこかでマチェイさんにその考えを聞いてみたい思いもある。

右サイドで頑張った小泉と、ケーキの上にイチゴを乗せること

このゲームでは、早川と小泉の位置を初戦と入れ替えたことが試合を運ぶうえでいい方向に出た。相手ボールの時のメカニズムはマチェイさんが「相手のビルドアップの時にブライアンと早川が山本をケアする形にした。それと同時にウイングがより高いところに出てプレスをかけることにしたが、特に佳穂がボールを奪う場面が多かったと思う」と話している。リンセンと早川の役割を整理してあげて、少し複雑なことをするのはサイドハーフの役割という形にしたのは人選も含めて良い選択肢だったようには見えた。

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