5回変わったマッチアップ、今の強みと伸びしろ 鹿島についても少しだけ【轡田哲朗レッズレビュー/J第28節鹿島戦】
(Report by 轡田哲朗)
欠場を余儀なくされた選手が少なからずいたゲーム
浦和レッズは3日にJ1の26試合目で鹿島アントラーズとアウェーで戦い、2-2で引き分けた。0-2から追いついた試合だし、ラストプレーに近いところで決定機もあったので「勝ちを逃した」印象もあるかもしれないが、久しぶりに試合への入りで完全な後手を踏んだのも事実。トータルして考えると、引き分けという結果はそこまで公平感を欠かないのではないだろうか。
浦和は試合後に酒井宏樹が右下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れでの欠場だったことが明かされ、他にも試合に絡むことが多かった選手だと西川周作、馬渡和彰、ダヴィド・モーベルグ、大久保智明、江坂任といった選手たちが「コンディション不良」で欠場。そのため鈴木彩艶と宮本優太がスタメンのチャンスを得て、松尾佑介をサイドに回す形で前方にキャスパー・ユンカーを据えた。
一方の鹿島は4-4-2の中盤ダイヤモンドが予想されたが、ふたを開けてみれば前が幅を取らない4-3-3という感じで、想定とは少し違った。岩政監督に代わっての2試合目で試合前に分析の精度を高めるのは難しいかもしれないが、最初の噛み合わせのところだと「上手くやってきたな」という印象になった。
鹿島の幅を取らない3トップに手を焼いた前半
鹿島のシステムを中盤ダイヤモンドと表現するのはダウトかなという感があって、まず攻撃の設計は2-3-5が基本だった。アンカーのディエゴ・ピトゥカが最終ラインを出入りしつつ、前線の3トップは幅を取らずに浦和の4バックとペナルティーエリアの幅くらいで対峙する。そして、大外のレーンにはインサイドハーフとサイドバックが連携して進出してくるが、浦和は4バックが3トップに捕まったスタートになるのでサイドバックを押し出すのが難しい。そのため、関根と松尾は相手のインサイドハーフとサイドバックに付き合って下がる必要に迫られるので、4バックの両脇をカバーするために6バックに近いニュアンスになってしまった。これは、鹿島の攻撃が終わった瞬間に浦和の配置のバランスがとても悪いことを意味するので、マイボールのスタートを安定させるのを苦労した原因にもなった。
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