浦レポ by 浦和フットボール通信

開始5分で見えた今季最高のビルドアップ 選手の特徴と機能性が両立【轡田哲朗レッズレビュー/J第7節鹿島戦】

(Report by 轡田哲朗)

1ボランチ採用と「浦和のスタメン表記の原則」

浦和レッズは3日のリーグ第7節、鹿島アントラーズ戦に2-1で勝利した。正直なところ、内容的には2点差以上で勝利すべき試合だったものが1点差であるところに、まだまだ浦和の成熟度が足りない部分が垣間見えるものの、鹿島が低調だったことを含めて相対的には大きな差が開く試合になった。90分間を見て、この試合に負けるかもしれないと感じるような時間帯はなかったし、勝てなかったらもったいないという感覚のまま進んだと言えるだろう。

この試合ではリカルド・ロドリゲス監督が4-1-4-1と言えるようなシステムを採用して、少し役割を発揮させつつ、相手とは噛み合わない位置を取るような部分を多く作った。この中でも、1ボランチの位置に入った柴戸海は明確に中央を任されたことで動きがかなり整理された。

以前にツイッターで、「浦和のスタメン表記の原則」というものを記したら、割と興味を持ってもらうことが多かったようなので、簡単にそれを書いておこうと思う。昨年の大槻毅監督の時には意図的に原則を外す記載のこともあったけれども、リカさんになってからは現時点で外れていない。

確認する時は、浦和の公式よりもJリーグ公式でのポジションが入ったものの方が良い。その上で、ポジションごと、そしてMFで列が分かれるときは、後ろから順に同じ列の右から順に並ぶ。今回の場合だと、GK西川周作の次にDF西大伍が来て、DF山中亮輔まで。そしてMF柴戸海が来て、次がMF関根貴大だった。その後MF明本考浩まで続いて、FW武藤雄樹という記載だった。

柴戸と関根がダブルボランチを組むのは無茶な起用だし、右から柴戸、関根、武田英寿という3ボランチも考えづらい。だから、柴戸の1ボランチで、次の列の右端に関根が来ると推定できる。ポジションに関しては試合ごとに記載を変えられるので、明本を2トップの一角に据えてスタートした第3節の横浜FC戦では、FW明本考浩と書かれている。だから、この鹿島戦はスタメン発表の時点で表記の原則通りなら3バックもダブルボランチも3トップも2トップも全てが否定されて、4-1-4-1だと推定できるということになる。スタメン発表から実際に始まる前のワクワク感を奪うことにはなるかもしれないけれども、今のところ全試合でこうなっている。

前半5分の手前からの流れは、ぜひ映像で見て欲しい

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