遠藤、柏木の復帰戦で大勝も楽観視できない内容【島崎英純】2017Jリーグ第11節・アルビレックス新潟戦レビュー

遠藤、柏木を使わざるを得ない状況

試合開始2分、MF加藤大のインスイングクロスに反応したFW鈴木武蔵が遠藤航との競り合いを制してヘディングシュートを流し込み先制する。浦和レッズは序盤から圧力を掛けてきたアルビレックス新潟の攻撃を防げず厳しい局面に立った。しかし6分、ラファエル・シルバのシュート気味の右クロスを武藤雄樹がファーサイドからコンタクトして同点。武藤はオフサイドラインぎりぎりの立ち位置から始動したが、ゴールは認定された。

議論の余地があるのは20分の興梠慎三のゴール。宇賀神友弥の右クロスに対して、興梠は新潟ディフェンスラインよりも前に出ていて眼前にはGK大谷幸輝だけしかいなかった。『オフサイドポジションに居る事自体は反則ではない』ことを前提とし、オフサイドの定義として『競技者がボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い』とあり、このジャッジは興梠がボールよりも前にいるか後ろにいるかで判断すべき事象だった。画面だけの判断では非常に微妙だが、個人的な見解では興梠がボールの後ろに位置しているようにみえる。

いずれにしても、浦和は相手ディフェンスラインとの駆け引きと右サイドからのクロスで連続ゴールを果たした。失点直後のリカバリーとしては理想的な展開である。そもそも浦和は今試合前の公式戦3試合をいずれも0ー1で落していた。Jリーグ第9節・大宮アルディージャ戦では相手の堅守に阻まれ、同第10節・鹿島アントラーズ戦は相手エース・金崎夢生のゴールで逃げ切られた。そしてAFCアジア・チャンピオンズリーグ・グループステージ第6節のFCソウル戦はノックアウトステージ進出が決定している中でターンオーバーを敷き、敗れた。いわば今回の浦和は背水の陣で、それはスタートでピッチに立った選手陣容からも分かる。

遠藤と柏木陽介は負傷を抱えたまま先発出場した。

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