日々雑感ー【考察コラム】矢島慎也と長澤和輝、その現況と課題

矢島慎也と長澤和輝

 矢島慎也。

 AFCアジア・チャンピオンズリーグ・グループステージ第6節・FCソウル戦。後半の56分に菊池大介に代わってピッチへ立ち、ボランチのポジションに付いた。先制を許していた浦和レッズはここから試合の主導権を握って相手陣内へ攻め込む。77分、駒井善成の右クロスに反応した矢島がバイタルエリアへ飛び込んで右足ボレーシュートを放つも、ボールはゴールの上を通過していった。

「あのシュートが入っていれば……」。

 悔やまれるシーンはあったものの、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は右足第5中足骨疲労骨折からの復帰初戦を飾った高木俊幸と共に矢島の名前を挙げて「次の新潟戦に向けて、ふたりが今日のようなプレーを見せてくれたことはチームとして前向きなことだと思っていますし、新潟戦ではメンバーに考えていかなければいけないと思っています」と語り、今後への期待を示した。しかし、その新潟戦では高木が前半途中から負傷交代のラファエル・シルバに代わってピッチへ立った中で、矢島はベンチ入りしながらも不出場に終わった。

 1994年1月18日生まれの23歳。北浦和サッカースポーツ少年団から浦和ジュニアユース、ユースを経た地元生え抜きにして2016年リオ・オリンピック代表選手の成長株。ファジアーノ岡山でのレンタル移籍期間中に培った数々の経験を生かせるか否かは、現状からの打破に懸かっている。

 長澤和輝。

 ジェフ千葉へのレンタル移籍から今季浦和へ帰還。沖縄でのキャンプを経て、『さいたまシティカップ』のFCソウル戦では浦和移籍後初ゴールを挙げ、続いて富士ゼロックススーパーカップ・鹿島アントラーズ戦では途中出場を果たした。しかし、その後の公式戦ではACLグループステージ第2節のFCソウル戦に途中出場した以外はピッチに立つ機会を与えられていない。2014年に専修大からドイツ・ブンデスリーガの1FCケルンに加入して鍛錬を積み、2年後に浦和への移籍を決めてからの1年間はJ2の舞台で武者修行してきた。

 1991年12月16日生まれの25歳。学生時代から将来を嘱望された攻撃的MFは今、プロサッカー人生の転換期にある。

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