苦しい試合をしっかりモノにし、自力でのステージ優勝に王手【島崎英純】2015Jリーグ1stステージ第15節・清水戦レビュー(2015/6/8)

如実だったコンディションの差

浦和レッズの選手たちのコンディションは総じて悪かった。無理もないだろう。わずか4日前にAFCチャンピオンズリーグ出場クラブの柏レイソルとJリーグ1stステージ第10節の代替試合を行い3−3という死闘を演じたばかり。その柏戦ではズラタンが足首を捻挫して負傷交代を強いられ、ディフェンスの要である森脇良太が翌日から別メニュー調整を強いられるダメージが残った。そこでミハイロ・ペトロヴィッチ監督は清水エスパルス戦で1トップに興梠慎三を据え、右ストッパーには森脇に代えて岡本拓也を抜擢する策に出た。結果的にこれは吉と出るのだが、約12日間のインターバルに入る直前の緊急事態には頭を悩ませたはずだ。

しかも、今回の対戦相手である清水はACL出場クラブ以外が戦っているヤマザキナビスコカップ・グループリーグの試合が今週になく、5月30日のJリーグ1stステージ第14節・川崎フロンターレ戦から1週間のインターバルを経て臨んでいた。相手との日程面のハンディは間違いなく試合内容に直結すると思われ、浦和の監督、選手は相当な覚悟を持って立ち向かったはずである。

武藤雄樹は試合後にこう述べている。

「やはり多少疲れはありました。前回の柏戦も厳しい戦いだったですし。また、清水は若い選手が多く、非常にアグレッシブに向かってきました。こちらとしては、その展開を予測して我慢の時間が長くなるだろうと思っていました」

今季の清水は大榎克己監督の下で、現在リーグ戦で3勝4分7敗、勝ち点13の17位に低迷している。しかしチームは構築の過渡期であり、実力を備える外国籍選手と将来性ある若手選手の融合が進めば、まだまだ挽回の余地があると目されている。また今回のように十分なインターバルを取ってフレッシュな状況で臨めば、若手主体のチームは実力以上の力を発揮することもある。

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