【島崎英純】2024Jリーグ第11節/川崎フロンターレvs浦和レッズ・試合レビュー『改善されない守備タスク。優位を得ながらもアウェーで敗戦』

©Yuichiro Okinaga

機能した前半の攻撃

試合の入りは過去のゲームと比べても良いと感じた。川崎フロンターレの前線プレスに対して2CB+アンカーの三角形でパスアングルを築き、インサイドハーフの適切なヘルプで前進コースを確保した上でウイングのアイソレーションに持ち込む型を実行できていた。

安居海渡と伊藤敦樹のダブルIHは献身的にチームタスクを果たしていた。ふたりが後方へ降りる頻度は若干多かったが、攻撃に転じると定位置である相手CB付近でプレーアクションを起こし、パスレシーブ、もしくは縦抜けで揺さぶったうえで味方を生かしたり、あるいは自身が勝負局面に持ち込むパターンを数多く発動した。

アンカーのサミュエル・グスタフソンがフリーポジションでボールを受けられたのも好影響を及ぼした。川崎は1トップのバフェティンビ・ゴミスと左IHの遠野大弥が浦和CBのマリウス・ホイブラーテンとアレクサンダー・ショルツへアプローチし、右IHの脇坂泰斗がグスタフソンを監視していたように見えたが、前半はそのマーキング強度が緩く、グスタフソンが容易にパスレシーブできていた。また、川崎は浦和と同型の4-1-2-3システムで、中盤中央は橘田健人の1アンカーになるため、これまで浦和と対戦してきたチームのようにダブルボランチがプッシュアップしてグスタフソンのプレーエリアを狭めることもできなかった。

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