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新シーズンへの展望(2)オールマイティーという実現しない理想|#ジェフユナイテッド千葉

●オールマイティーという実現しない理想

新シーズンのポイントとして千葉のハイプレスがどうなるのか、ハイプレスにつきまとう「60分問題」とどう向き合っていくのか。前回はそういう話でした。

解決方法として、1つは70パーセント以上のポゼッションで守備機会を減らし、ハイプレスに振り切った守備で押し切る。もう1つはミドルゾーンへ撤退して守備リスクを軽減する。この2つを提案しました。

私は70パーセント以上のポゼッションはあまり現実的でないように思いますので、そうなるとミドルゾーンへの撤退が推奨される戦い方になります。

ミドルゾーンにブロックを組んでの守備は、いわば守備の基本です。昨季はこれをやろうとして失敗した試合があり、そこからハイプレス全フリに傾斜していったのですが、そもそもミドルプレスがちゃんとできないのに、ハイプレスができるのかという疑問があるんですよね。

ミドルゾーンからの守備はユンジョンファン前監督の時のベースでした。現在の小林慶行監督はその時のコーチですから、この守備戦術は十分手の内に入っているはずです。もう一度そこに立ち返って、ミドルゾーンのプレッシングとショートカウンターという別の戦い方を準備して臨むのが手堅いかなと。つまり、ハイプレス&ポゼッションでスタートしながら、状況によって撤退してミドルプレス&カウンターのモードへ切り替える。そういうオールマイティー型です。

と、ここまで書いてきて、実は自分でもこれは眉唾な話であると思わざるをえない(笑)。そんなにうまく行くはずがないだろと、心の声が叫んでおります。自分で「これが正解」的に書いておいてなんですが、これたぶん無理なんです。

●日本代表とは正反対で似ている

アジアカップ準々決勝敗退で非難ごうごうの日本代表ですが、あのチームは千葉とはある正反対の体質を持っています。

日本代表(アジアカップ2023)

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