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【レビュー】J2第30節千葉2-2群馬@フクアリ「痛恨の引き分け、なぜラストパスは通らなかったのか」(2013/8/22)2,816字

連敗は免れたが
 とうとうこの季節がやってまいりました。30節前後で失速という例年のパターンになりかけております。連敗はとりあえずストップしましたが、ホーム引き分けは成功とはいえないでしょう。逆転したところまでは良かったのですが…。

 この時期に失速する原因はよく分かりません。ただ、この試合を勝てなかった理由はいくつか挙げられると思います。

間にパスを入れても崩せない
 千葉はキム・ヒョヌンが先発復帰し、出場停止中のケンペスの代わりにナム・スンウを1トップに起用しました。しかし最も大きな変化は米倉恒貴を1列前の右MFで起用したことでしょう。右SBにはキムが入りました。

「連戦なのでフレッシュな選手を使いたかった。キムは練習で元気があった」(鈴木淳監督)

 記者会見での話を聞く限りでは、まずキムの起用があって次に米倉の起用法を考えたようです。最近では米倉が警戒され、また彼の背後を突かれるようになったことも1列前での起用と関係があるのかもしれませんが。

千葉 先発フォーメーション

[4-2-3-1]
ナム
谷澤 大塚 米倉
佐藤健 伊藤
高橋 山口智 竹内 キム
岡本

群馬 先発フォーメーション

[3-4-2-1]
平繁
小林 青木
櫻田 加藤
夛田 保崎
小柳

クォン 有薗

 群馬は5バックで守備的な戦い方だったこともあり、千葉は中盤までは容易にボールをキープすることができました。前節では少なかったバイタルエリアへのパスも数多く通しています。ところが、群馬の守備をきれいに崩せたのは45分間で1回だけでした。伊藤大介からのパスをゾーンの隙間で受けた米倉が立ち足の後ろを通してフリック、フリーでディフェンスラインの裏へ抜けたナムがGKと1対1になりますが、シュートは左ポストの外へ外れてしまいました。

 ボールをキープし、“間”へもつないでいる、しかし相手の守備は崩れていないしシュートも少なく得点もない。これこそが現在の千葉に突きつけられた課題でしょう。

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