「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【コメント】トニーニョ・セレーゾ「連勝の秘訣? それは勝つことですよ」/明治安田生命J1リーグ1stステージ第13節 松本山雅戦(2015.05.30)

■トニーニョ・セレーゾ監督(鹿島):

――今日は赤﨑秀平選手が2点決めました。リーグ戦では初得点になると思います。攻撃陣の争いが活性化すると思いますがその点についてと赤﨑選手の評価をお願いします。もう1つは、今季リーグ戦ではまだ連勝がないと思うのですが、つぎの試合で連勝するために必要なものはなにかをお願いします。

連勝する秘訣は単純です。勝つしかありません。特別になにかをやらなければいけないわけではありませんし、試合のよっては良い内容で試合をしていても最後の方で失点をしてしまったり、チャンスをつくりながらでもゴールという形でその努力を結びつけられないこともありますし、実際今日の試合も非常に危険な試合でもありました。先に失点してから同点に追いついて、そのあとスコアを自分たちの有利な状況に持っていきましたけど、そのあと何度も何度もチャンスをつくりながら決めきれず、最後にやっと決めきることができました。相手は自分たちが持っているいろんな特長を生かそうとしてくる僕にとって興味深いチームであるし、僕は相手を讃えたいと思います。セットプレーの部分など、自分たちが持っているいろんな武器をどのように活用するか、徹底された部分が見受けられ、僕にとってはおもしろい相手でした。

選手選考については、自分が決めていくことです。うまくいくこともあればうまくいかないこともあります。今日は幸いなことに自分が先発で送り出した選手たちで良い形で勝利することができました。赤﨑選手は、うちの攻撃陣のなかではいちばん決定力が高い選手であって、それも俊敏性、スピード、動き出しの質というものが非常に高い選手です。その部分で、もう少し彼の特長を他の選手が把握しなければならないし、特にボランチが彼の質の高くタイミングの良い動き出しを見逃してはいけない。そこがもう少し成熟するには時間が必要だと思います。ただ、うちの選手たちは非常に賢いし、クレバーなので、僕が言っているイメージというものも映像を見てもらえれば掴んでいくと思います。ジネイ選手は長期にわたって試合をやっていなくて、負傷した後にリハビリをして復帰してきました。前回、90分やった中で疲労というものが見受けられました。僕は選手をマネジメントしなければいけないし、チームをマネジメントしなければなりません。助っ人をベンチに置くということは好きではないですが、ただマネジメントしなければなりません。

うちのチームは30人いますが30人全員が戦力として使えるかといえばそうではありません。まだやらなければいけないことがたくさんあるし、例えばチーム全員を代えて、次の試合もまた代えてというくらいの戦力があるかといえばないわけです。それなので、これまで少しずつ積み重ねてきた指導を試合で活かせるように、ときおり若い選手を1人、2人入れて試合にならしていって、本人が「これはできた」「これはできない」という部分を感じてまた指導を進めていくことをしています。ホームだと、サポーターの後押しがあるので、それは世界中のどこに行っても雰囲気的にも違うし、自信を持ってプレーできます。その選手に対する信頼と自信を持っているから僕は送り出すわけであって、送り出したところで今度は選手たちが少しずつ確信に変えていかなければなりません。「練習でやっていたことは正しかったんだ」と感じて、練習は嘘をつかないということがだんだんわかるようになります。言葉だけでずっと言ったとしても試合に出ていないのでわからないと思います。しかし、試合に出ることで日々の練習の大切さがわかるようになり、また練習が向上、成長していくようになります。

そういう積み重ねをやっていくなかで、今日に関しては幸いなことにうまくいって結果が出ました。内容的にはもう少し点数が入ってもおかしくない内容であったんですけど、ぎりぎりのところでしっかり勝利することができました。ホームではできるだけ若い選手を少しずつ慣らしていって、本人の自覚や責任、練習に取り組む意識を口頭での指導だけでなく自分で肌で感じることによって、「これをやっていなかったから試合ではやっぱりできなかった」とわかるようになるし、「やっていたから試合でできた」というところから成長していきます。ホームではそういう形でやっていきたいし、アウェイではアウェイの圧力があるし相手の強さもあるので、経験豊富な選手で相手の圧力や相手が目指す形に対抗するプランでいます。

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