「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【コメント】トニーニョ・セレーゾ「相手の時間帯を落ち着いてうまくしのげたのがポイントだった」/明治安田生命J1リーグ1stステージ第8節 ベガルタ仙台戦(2015.04.29)

■トニーニョ・セレーゾ監督(鹿島):

 

――前半に比べて後半、サイドの攻撃が活性化されたように感じました。その理由はどこにあったのでしょうか?

 

 立ち上がりから20分、25分くらいは非常に相手に圧力をかけられて相手のペースに合わせたサッカーをしてしまい、非常に苦しい時間帯があったと思います。正直、その時間帯で失点しなかっただけで僕はいいと思うし、それを耐え抜いたということはとても良かったと思います。相手の監督も讃えたいし、試合全体で考えても非常にダイナミックなサッカーをやろうとしていると感じられますし、その時間帯をしのげたことがポイントになったと思います。90分、あのペースでやろうとしたらそれは非常に難しいことであって、一般的に考えてだいたい15分、20分、最大でもあのペースを保てるのは25分くらいです。そこで落ち着いてやれればと思ってやっていました。

 我々がボールを奪い返したときに、ちょっと中から行こうとしていたのが反省点でした。一番人数が多い方に自分たちから突っ込んで行ってしまった。入れる、というよりは突っ込んでいってしまった。そういう風にやって自分たちから首を絞めるような形にしてしまいました。あとは、相手がロングボールを蹴ってセカンドを狙うというのが明確になっていたので、それに対する守備の積極性が我々に欠けていたかな、と。つねに相手が一歩早く、セカンドボールに対する反応がありました。それもまた、苦しい状況になった原因の一つでした。幸いにして、その時間帯を過ぎてから少しずつ自分たちのペースを取り戻してセットプレーから得点できたという部分があり、そしてハーフタイムになった時に、僕はまず選手たちを落ち着かせることを考えていました。

 どうしても自分たちの流れやテンポで試合をできていないときにどうしてもイライラしてしまうんですけど、それをまず気持ちを落ち着かせる。それと後半は相手が押し込んでくる状況になるので、それに対してしっかりしのぐことと、当然ながら前に出てくるということはその背後がもっと空くわけなので、前半でも背後を狙って欲しかったんですけど、SBの背後をサイドチェンジから狙ったところで遠藤選手の技術やボールキープ、逆サイドでいえばカイオ選手の技術とスピードを生かすことができるということを言ったところ、その狙い通りのことが時間の経過とともに少しずつできるようになりました。そこから得点だったり、チャンスも多く作れたのではないかと思います。

 チームとして相手に押し込まれた時間帯であったり、押し込まれた状況のなかで積極的な守備ができなかった場面はチームとして改善しなければならない部分ですし、当然ながらそれができない要素としてはいろんなファクターがあって、そういう身体の反応になってしまったんだと思います。また、ロングボールに対する対策というのは、セカンドボールやそこに対する侵入になってくるので、そこで指示を出したのはSBがちゃんと内側に絞るということを言いました。CBを1人で競らせるのではなく、そのあとのカバーリングができるように指示したので、それもうまく対応できたと思います。また、ロングボールやクロスに対して曽ヶ端選手が非常にタイミングよく自信を持って出ていったことも、チームには助けになったと思います。また、レフリングも両チームにとって非常によかったと思います。我々監督陣は、普段はレフリーの文句しか言わないので、こういう良い時は褒めないといけませんね。

 

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