【2024 MOM of the year選考会議/vol.1(全5回)】2024もいろいろありました!ライター2人が今シーズンのチームをふり返る回
反転攻勢の転換点は第14節・山口戦後
嶋 攻撃のところで言うと、シュート数って序盤はそんなに多くなかったんですよね。
円 意図的にチャンスが作れなかったということだと思いますけどね。
嶋 なかなかボールが前に進まなかったのと、縦にも入らなかったというところがありましたね。シュート数をふり返ってみると、10本とかいかないのがほとんどでしたね。
円 去年もそんなパターンだったような…。
嶋 去年の立ち上がりはピーターさん(クラモフスキー監督)で、今回はナベさんになったけど増えなくて。シュート4本とかで終わる試合もあるもんなあ。
円 運んでシュートというところまでいけないと、カウンター食らったり、守備の時間が増えて。
嶋 そうなると結局、セットプレーの回数も増えて、押し込まれてやられちゃう。
円 そこで耐えきれればいいんでしょうけどね。「いつでも点取れるぜ!」というチームだったら、それを信じて耐えられるのかもしれないけど、そこの期待感もそんなに大きくなかったので、守備もどこまで堪えたらいいのかという状態だったように感じました。
嶋 攻撃の拠り所がないから守備でも頑張れなくて、そこで山口戦(第14節)の話か。山口戦のあとにやり方を変えたという。「守るところをしっかり徹底させよう」という話になったのか。
円 あとは、練習方法ですよね。
嶋 変えましたね、明らかに。ピーターさんのやり方を踏襲してたところを、時間をかけてやる方法に。
円 プレーを止めるところは止めて、しっかり理解したうえでプレーする、というところですよね。
嶋 ピーターさんはリズムを大切にしてて、練習時間もコンパクトにして、メニューとメニューの間隔を短くしていたんですが、そうじゃなくなった。
円 どっちがいい・悪いじゃないんですけど。
嶋 要は、選手が練習中に理解することが必要だったんですよね。チームとしてやろうとしていることを、説明を受けて自分で噛み砕いて次のプレーに取り込んでいくところ。チームとしてやることを選手たちがしっかり理解しながら練習できるようになった、というところなんじゃないですかね。
円 連勝するようになってより感じたんですけど、11人の共通意識というか、情報を共有しながらプレーするところが肝のチームなのかなと思うので、ひとりでも違うことをすると崩れるところもあると思うし。そこですかね。ただ、山口戦のあと、結果が出るまでは連敗が続いたんですよね。
嶋 今度は、それこそ「点取れない病」になったじゃないですか。
円 点取れなくなっちゃいましたけど、守備がより喫緊の課題としてあったので、そこさえできれば、平行で磨いてきた攻撃に転じることができるという見込みはあったと思うんですよね。
嶋 まずはチームづくりの順番を、最優先は守備だから、そこをもう1回再整備して、選手が理解したら今度は攻撃にという手順は間違ってない気はしますね。
円 多少、時間はかかりますけどね。ガラッとは変わらないので、段階を踏んで。
嶋 ただ山口戦の段階で、14節が終わってるんですよね。理想を言うなら、山口戦の段階をキャンプ前とか、開幕戦とかに持って来れると、チームづくりってうまくいってたのかなと。
円 キャンプ短かったのかなあ(笑)。
嶋 さっき言った、型にハメすぎたところとか、去年のベースみたいなところがあったところから上積みしようとしたんだけど、結局、チームも毎年毎年選手も代わるんだから、そこはもう1回フラットに見て、基本的なところとか、チームとしてのやるべきことは毎年毎年見直さなきゃいけないし、その共通理解に時間をかけてキャンプをしていって、そのうえでチームの熟練度、連係、全員が同じことを意識してというところの完成をもう少し早めていく。それができるようになると、シーズン前半戦もう少しよくなるのかなと思いますね。