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【トピックス】26年8月からシーズン移行正式決定。「賛成票を投じた」相田健太郎社長が語る対応は?

Zoom会見でシーズン移行について語る相田健太郎社長。会見は約50分行われたが、全文無料公開中。 サポーターの中にもまだシーズン移行について勘違いされている方が多いようなので、機会があればぜひ全文の方も読んでいただきたい。

23年12月19日。Jリーグの理事会が行われ、26-27シーズンからシーズン移行を実施することを決定した。また「残された課題を継続検討していく」ことも決まった。

新しいシーズンスケジュールは、毎年8月1週頃に開幕し、翌年5月最終週に閉幕。12月2週以降、約2ヶ月間ウィンターブレイクが設けられ、翌年2月3週からリーグが再開する。
23シーズンはJ1・J2リーグが約40週間(J2はプレーオフ含む)で行われたが、移行後の26-27シーズンはウィンターブレイクを除いて約34週間で行われる計算となる。

19日の理事会後にオンラインで記者会見を行ったモンテディオ山形相田健太郎社長は、今月14日の実行委員会で行われたシーズン移行決定投票について「すべての部門と話をして、クラブとしてシーズン移行に対応可能と判断した上で、賛成票を投じた」と賛成票を投じたことを明かした。
モンテディオ山形としては、現時点でほとんどの問題に対応可能だという見解のようだ。

例えば、通常4月から始まる学校との期ズレについては、現在ある特別指定制度を使って対応可能とし、ステークホルダーに対する期ズレも「しっかりとお話して対応できる」とした。
他のクラブで問題となっているスタジアム確保の難しさについても、モンテディオ山形はNDスタジアムのある山形県総合運動公園の指定管理者となっているため調整がしやすく、大きな課題とは捉えていない。これは同公園内に建設予定の新スタジアムの運用が始まっても同様のことが言えるだろう。

会見内で焦点のひとつとなっていたのは、冬季間の過ごし方だ。一部サポーターの中には冬季間にNDスタジアムでホームゲームを行うような勘違いもあるようで、相田社長は「6、7月がなくなって、12月の2週目がプラスされただけ。『雪の日に試合をやれ』ということではない」と改めて強調していた。

Jリーグ側が出した練習施設整備への支援については、「施設を造ることが目的になるのであれば、我々としては意味がない。イニシャルコストが出ても、ランニングコストは自力で作らなきゃいけない」と維持費に見合うかどうかを懸念材料に挙げ、キャンプ費用の支援についても、「出たとしても続くものではない」と頼りすぎない方針のようだ。

そして冬季間の練習については、12月2週付近のみ降雪の状況をみて遠征先からアウェイの試合会場に向かう可能性を挙げていたが、それ以降は基本的にオフやキャンプ地で過ごすことになる。
ただ、プレシーズンとシーズン中の違いがあるため、身体を一から作り直すほどの強度のあるトレーニングは行わない可能性もある。

「1週間のうち、1日は通常のオフを取ったりしてますけども、『2オフでいいんじゃないか』、『2週間やったら3日間オフ取っていいから皆で1回山形に帰ろうか』みたいなこともできるのかもしれない」と、これまでサポーターがイメージしていた、精神的にも肉体的にも負担の大きい長期キャンプとはトレーニングの強度や負担は変わってくるだろう。

そこをどうやりくりして乗り越えるかは新シーズン制に移行する上でのモンテディオ山形の新しい課題の一つかもしれない。

シーズン移行に関しては、Jリーグ全体の議論だけでなく、各クラブでもそれぞれシミュレーションが行われてきた。それはモンテディオ山形も同じだが、その結論として、「『こういう状況になれば、こうできる』というシミュレーションもしているので、あまり『困ってます』というところがない」という。

懸念点として相田社長が挙げたことも「移行期の半年間についての売り上げがどうなるか」や「1年半前ぐらいから次のシーズンの日程がわかって、施設が押さえるような仕組みができるのであればありがたい」といったより細かい点に留まった。

クラブ側が綿密に検討した上の結論なので、これ以上表面化してくる課題の多くは、移行後に出てくるものなのではないだろうか。少なくとも現時点で、モンテディオ山形がクラブとして「対応可能」と結論づけるのは理解できる。

おそらくサポーターの中には大反対の方や上に挙がっている以外のリスクを考えている方も多いだろうが、まずはクラブの考え方をリスペクトして欲しいところだ。

文 嶋守生

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