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【かもかもしかしかモンモンモン】22歳――阿部要門

今月は選手・スタッフの誕生日が多い4月。3日に22歳の誕生日を迎えた阿部要門選手に、その直前の1日、自身の年齢について考えることがあるか尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。

「怪我する前とかは考えてたんですけど、怪我してからはどうでもよくなってます(笑)」

阿部選手はモンテディオでプロの第一歩を踏み出した21年、8月にカマタマーレ讃岐に育成型期限付き移籍、22年からの2シーズンはチームをラインメール青森に変え、今季モンテディオに復帰した。多くの実践経験を積み、レベルアップしてモンテディオに帰還することが期待されたが、それを果たせなかった理由は2度の大きな怪我だった。22年の誕生日の試合で左膝前十字靭帯を、翌年6月には右膝前十字靭帯を損傷し、それぞれ長い期間をリハビリに費やしている。

長身でスピードとパワーは超高校級。向上心もあり、出身の尚志高校サッカー部・仲村浩二監督が「可能性があるというか、未完というか、恐ろしい選手になるという期待がある」と送り出すほどの逸材。本人もサッカー人生の青写真をいくらでも描くことができただろうが、いまはそれとは違うサッカー人生を歩いている。

「2年間、怪我で棒に振ったので、そのぶん、年齢は関係ないなと思うようになってきたし、昨日の試合(第7節・清水戦)でも高校生が出てきているなかで、年齢とか気にしてられないなというのはあります」

3月13日、ルヴァンカップ・カターレ富山戦では延長前半の15分間に出場し、公式戦復帰を果たした。次なる目標は6月12日の天皇杯2回戦出場。その先には、Jリーグでの初ゴールも見据えている。

一歩ずつ着実に進むサッカー人生とは対照的に、キャンプから戻った顔にはいきなり髭が伸びていた。「剃るのが面倒くさいので」という理由らしいが、いよいよ戦闘モードに入った22歳の表情にはとても似合っているように見えた。

(文・写真=佐藤 円)

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