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【ランダムフォーカス】あわや…~山田拓巳選手


ホームで1−6と完敗した徳島とのアウェーリベンジマッチは、前半20分に先制され、嫌な記憶が頭をよぎりました。しかし選手たちはそこから崩れることなく試合を進め、特に後半は、シュート1本だった前半から一転してシュート9本の猛攻。途中出場した鈴木雄斗選手が起爆剤となり、数多くのチャンスを作りました。

とりわけ見応えがあったのは65分過ぎ。鈴木選手と瀬沼選手のシュートが連続してクロスバーを叩いたチャンスシーンはもちろんなのですが、その直前の大ピンチの場面も忘れられません。徳島の10番・大﨑選手の強烈なシュートをGK児玉選手が足で弾いたものの、ボールは前にこぼれ、カバーに入っていた山田選手が反応してクリアしました。ところが蹴ったボールはキーパーの頭上を越えゴール方向へ……あわやオウンゴールかと息を飲みましたが、ボールはバーを直撃して戻って来ました。

「ボールが来ちゃったので考えるまでもなくクリアしたらゴールの方へ飛んでしまって。どうなるんだーって見ていたら、バーに当たって返ってきました」

クリアした勢いで倒れ込んでいた山田選手は、這いつくばった体勢のまま、返ってきたボールを今度は頭でクリア。「高くあげればダマさんがなんとかしてくれるだろうと思って」という信頼どおり、児玉選手がパンチングし難を逃れました。映像を見直すとあっという間の出来事ですが、絶対にゴールを死守しようという執念が伝わってくる、印象的なシーンでした。絶体絶命のピンチをしのぎ、倦むことなくゴールに向かい続けたその勢いが、71分の阪野選手の同点弾につながったと言えるのではないでしょうか。

「ああやって粘り強く守っていれば、その後にチャンスが来て得点も生まれる。やっぱり粘ることは大事だなと、あらためて思います」

泥臭く粘り強くゲームに食らいつくモンテスピリットを全開にして、ホームで4試合を戦える9月が始まります。

文・写真:頼野亜唯子

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