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【ランダムフォーカス】PKシーン〜山田拓巳選手

5月28日のアウェイ岐阜戦は、0-1で勝利! 負けなしが続いていたとはいえ、ドロー2戦の後の勝点3はやはり気持ちのいいものですね。

その虎の子の1点はPKによるディエゴ選手の得点でしたが、PKを得たのはこの試合右サイドバックで先発した山田選手。アルセウ選手からのロングフィードに合わせて抜け出し、ペナルディエリアに入ってトラップしたところで岐阜の左サイドバック・磐瀬選手のファウルを受けて倒れました

ではファウルを受けていなければ、自分で持ち込んでシュートを打っていたのか、クロスを上げていたのか……。

「あそこだったらシュートを打っていたかもしれないですね。逆にPKになって良かったです。自分でシュートしていたら入っていたかどうかわからない(笑)」

更に、自分がもらったPKを他の選手が蹴るのを見守る気持ちはどんなものなのだろうと聞いてみると、笑顔でこんな答えが。

「『頼むから決めてくれ』と祈るだけです。0-0の状況だったし、あれで入らないとチームとしても雰囲気が重くなるだろうし。自分で蹴ろうなんて1%も思っていません。躊躇なくディエゴに譲りました。決めてくれれば誰でもいいです。自分でなければ。まあ、2-0か3-0だったら自分で蹴りに行ったかもしれないですけど」

さて、山田選手に裏を取られて必死で止めに行った形の磐瀬選手は市立船橋高校出身。山田選手の後輩です。山田選手が6歳年上なので面識はないそうですが、注目していた後輩だそうです。

「卒業した後、高校選手権を見に行った時にあいつが1年で出ていて。今、名古屋にいる和泉竜司が3年の代で優勝した大会なんですけど、(磐瀬選手は)1年生とは思えないガツガツつぶしにいく迫力のあるプレーをしていて、頭に残っているんですよね。絶対にいい選手になるなと思っていたらやっぱりプロになりました」

注目していた同じポジションの後輩。一緒にピッチに立ったのは初めてだそうですが、今回は山田選手に軍配が上がりました。ちなみに、その時の選手権優勝を見て市立船橋に憧れ、入学を決めたのが永藤歩選手です。いろいろな思いと歴史がぎゅっと詰まったワンシーンでした。

文・写真:頼野亜唯子

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