浦レポ by 浦和フットボール通信

リーグホーム最終戦で福岡に逆転負け さすがに選手たちの表情も暗かった【試合取材後記 今日のミックスゾーンから】

(Report by 河合貴子)

ルヴァン決勝のリベンジもならず

リーグ・ホーム最終戦、アビスパ福岡を相手にしっかりと勝利を収めて、YBCルヴァンカップ決勝の屈辱を晴らし有終の美を飾りたいところであった。出場停止の岩尾憲選手、戦線離脱している伊藤敦樹選手とダブルボランチを欠いた浦和は、安居海渡選手と柴戸海選手を起用、また同じく戦線離脱している酒井宏樹選手に替わり関根貴大選手を右サイドバックにコンバートして挑んだ。さらに、中島翔也選手をリーグ戦、初スタメンでトップ下を任せた。明らかにYBCルヴァンカップ決勝とは違うメンバーであったが、試合開始から徐々に主導権を浦和は握り出した。

13分、中島選手のシュートのこぼれ球を拾った明本考浩選手が、素早く中島選手にパスを出し、中島選手のタメに合わせてワンツーでエリア内と入り込んだところを奈良選手のプレスが足にかかり倒れこんでしまった。ノーファールの判定であったが、オンフィールド・レビューによりPKを獲得。浦和のPK職人アレクサンダー・ショルツ選手が、冷静に決めて浦和が幸先よく先制することができた。

勢いに乗った浦和が追加点を奪いにいくものの、32分にゴールキックの跳ね返しを収めた山岸選手が素早く紺野選手に展開し、DFの背後に抜け出した紺野選手に同点とされてしまった。

このゴールをキッカケに、一気に流れは福岡に・・・。その流れのまま54分には小田選手、62分には後方から攻撃を組み立てようとした柴戸選手にプレスを掛けて前選手がインターセプトし、またもや背後へと飛び出した紺野選手に決められ1‐3とリードを広げられてしまった。

このままでは終われない浦和は、57分にエカニット・パンヤ選手、65分にはブライアン・リンセン選手とアレックス・シャルク選手を投入して攻撃を活性化していった。75分には、クロスバーに直撃したリンセン選手のシュートの跳ね返りをシャルク選手がゴールへと押し込み2‐1としたが、反撃も虚しく1点が遠く2‐3で逆転負けを喫してしまった。

この敗戦で4位へと順位を下げてしまい、さらにスコルジャ監督の退団の挨拶もあり、スタジアムには重苦しい空気に包まれてしまった。

同じ相手に2度も負けるのは、嫌なものだ。どんよりとした重たい空気を感じながら記者会見場へと向かうと、既に長谷部監督のにこやかな会見が始まっていた。長谷部監督が「1点獲った後、少し落ち着いてキープしようという浦和のマインドが、攻撃力を落としたというか、ボールを持っている形をキープしたいところもあったのではないかと思う」とニヤリと笑顔を見せて話す言葉が、チクチクと胸を刺す。

ミックゾーンをふっと見ると、中島選手がやってきた。両チームの中で一番早かったが、言葉数は少なかった。立ち去ろうとした中島選手に、練習前に飲んでいた種類を聞いたところ「お茶です。緑茶」と答えてくれたが、なぜ緑茶なのか聞き出すところまでは至らなかった。中島選手に続いて登場したのは、岩波拓也選手だ。その後ろをスーツ姿の福岡の選手たちが笑顔で通り過ぎていく。

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