浦レポ by 浦和フットボール通信

今季15回目の引き分け 優勝を掲げたシーズンは9位で終わる【河合貴子 試合のポイント/J第34節福岡戦】

(Report by 河合貴子)

退いた相手を崩す課題が最後まで残る

試合後のセレモニーで立花代表の「私はこの3年間で浦和というクラブが大きく成長したと感じてます。結果は出ませんでしたが、今クラブ、チームはその改革という目標を少しずつ達成し、いいチーム、いいクラブになっていると断言できます」と声を張り上げて力強く話す言葉が、虚しく感じてしまった。本来なら浦和を愛する人々で埋め尽くされているはずのゴール裏は、心にポッカリと穴があいたような空席となり「優勝争いすら出来ない無様な結果。死ぬ気で掴もうとした男は誰? 来季は覚悟ある男と闘いたい」と書かれた横断幕が掲げられていた。

最終戦で有終の美を飾り、今シーズン限りで浦和を去るリカルド・ロドリゲス監督を勝利の花道で送り出すことも、2年目の集大成を具現化することができず、アビスパ福岡をホームに迎え挑んだラストゲームは1-1の引き分けで終えた。

ある意味、今シーズンの浦和を象徴するような結果であった。どんなにボールを支配していても、なかなか決定機も作れず、アイデアもトリッキーなプレーも躍動感もなく、創造性すら全く感じられなかった。逆に、他会場の試合結果にもよるが、J1残留を自らの手で確実のものにするために「浦和に勝つ」と埼玉スタジアムに乗り込んできた福岡の強い意志を感じた。

試合開始から主導権を握った浦和であったが、福岡の5-4-1のブロックに揺さぶりをかけるも攻め倦ねる状況になってしまった。福岡は虎視眈々と浦和のクサビのパスを狙い、浦和が引っかけると一気に前線へと持ち上がった。前半、浦和が放ったシュートは2本、福岡が放ったシュートが5本だ。

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