ルヴァン杯決勝でショックな敗戦 伊藤敦樹も自分の不甲斐なさに涙をこぼす【試合取材後記 今日のミックスゾーンから】
(Report by 河合貴子)
明本のゴールで1点差に迫るもルヴァン杯を逃す
勝敗を告げる笛が、鳴った。8分ものアディショナルタイムであと1歩のところまで迫ったが、死力を尽くした赤き戦士たちはガックリとピッチへと倒れこんだ。試合開始前には浦和を愛する人々のタイトル獲得の思いが込められた2段階の勇壮なビジュアルサポートが出現したが、その願いは届かなかった。YBCルヴァンカップ・決勝で、浦和は1-2で福岡に敗れた。
敗戦の全ては、試合開始直後の5分の失点であった。西川周作選手のゴールキックを福岡DFに弾き返されセカンドボールも拾えず、山岸選手へと渡り、その落としを前選手が大きく右サイドの紺野選手へと展開。紺野選手が巧にペナルティーエリア内へと侵入し、GKとDFの間へと入れたグラウンダーのクロスをファーサイドへと走りこんだ前選手のシュートが決まった。福岡のデザインされた華麗なゴールであった。この失点で浦和のゲームプランが見事に崩れてしまった。逆に福岡は、5-4のブロックを作りカウンターを仕掛ける狙い通りのゲーム運びであった。
浦和は前半に決定機というものを全く作り出すことができなかっただけでなく、45+4分にも紺野選手の左CKのクリアーボールを拾われ、前選手のアーリークロスをアレクサンダー・ショルツ選手が競り合いながらもクリアーするも、そのこぼれ球を拾った紺野選手のグラウンダーのクロスに合わせた宮選手に決められ0-1で前半を折り返すことになってしまった。
2点のビハインドを負った浦和は、ハーフタイムに早川隼平選手と高橋利樹選手に替えて安居海渡選手と大久保智明選手を投入し、攻撃を活性化して勢いよく後半へと入っていった。
55分、カウンターから攻めあがったグローリー選手にプレスをかけたマリウス・ホイブラーテン選手の足が掛かってしまいPKを献上。PKのキッカー山岸選手との駆け引きで見事に西川選手が勝ちしっかりとコースを読んでゴールを死守した。このPKストップでゲームの流れが変わった。
今まではボールを保持するものの効果的な攻撃のリズムが生まれることがなかったが、浦和が躍動し始めた。西川選手がPKを止めたその5分後、ホセ・カンテ選手が起点となってペナルティーエリア内へと走りこんだ伊藤敦樹選手が、前嶋選手と井手口選手と交錯する形で倒され、今度は浦和がPKを獲得したと思われたが、無常にもノーファールの判定に・・・。
その直後に伊藤選手と小泉佳穂選手に替えて、明本考浩選手とブライアン・リンセン選手を投入。安居選手をボランチへと下げ、4‐4‐2へとシステムチェンジをして反撃を試みた。すると67分、酒井選手のアーリークロスを明本選手がDFの背後に抜け出し、胸トラップからの左足のシュートが決まった。
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