浦レポ by 浦和フットボール通信

なりふり構わずつかんだ勝ち点3 本当の課題は今後かもしれない【轡田哲朗レッズレビュー/J第24節名古屋戦】

(Report by 轡田哲朗)

名古屋が5人中4人、浦和は4人中0人だったもの

浦和レッズは8月18日にリーグ戦の24試合目で名古屋グランパスと対戦し、1-0の勝利を収めた。これが夏のブレーク明けの公式戦4試合目で初勝利。10回やったら浦和の方が勝利する回数が多いと感じられるような試合内容ではなかったが、そのうちの勝つ1回をこのゲームに持ってくることができたという印象だった。

マチェイ・スコルジャ監督は「ここ数週間、小泉佳穂は練習でいいパフォーマンスを見せてくれた。だからトップ下でプレーさせることによって変化をさせようとした」と、小泉をリーグ戦だと5月14日以来のスタメンに送り込んだ。それまでが完全に不動の存在だった選手なので疑問はないが、実際に彼がピッチ上にいた45分間はある程度、ゴール前に行ける回数に差がない感じに渡り合えた。また、サンフレッチェ広島戦でゴールしていたホセ・カンテが2試合連続スタメンで、こちらも「好調である」という認識を持っていることを記者会見で話していた。

名古屋はキャスパー・ユンカーが契約条項によって出場できないのと、マテウス・カストロがサウジアラビア移籍したことで外国籍選手はGKのランゲラックのみ。ただ、広島から移籍加入した森島司がスタメン出場したこともそうだが、今夏のウインドーで獲得した5人のうち4人が何らかの形でこの試合に出場している。一方の浦和は中島翔哉がベンチに入り、途中で伊藤敦樹が足をつったようなアクションをした時に1回呼ばれたがキャンセルになった。おそらく安居海渡をボランチに下げて穴を埋める準備で、伊藤がOKということで止めたということだろう。ただ、シーズン後半戦から登録された4人のうち1人もピッチに立たなかった事実はそこにある。

小泉を入れ、酒井が低い位置にいてズレを作ったマイボール

名古屋は酒井を岩尾憲まで降ろして前線をかみ合わせる、いつもの仕様という感じで人に人を合わせる時間を長くしていた。浦和はゴールキックの時なんかは普段の4-3-3変化から始めることが多かったが、ゲームが流れている中でのビルドアップは酒井宏樹が低い位置にとどまって、岩尾の近くまで小泉が降りてくる形での3-2-5に近いやり方をしていた。名古屋は元の担当から、ショルツを見ていた永井の前に酒井がいることになる。そして、名古屋の酒井はショルツと本来の担当である岩尾が前後に入って、小泉に稲垣がついてくるとはいえ少し浦和の方が人数の多い状態になって落ち着けることができた。伊藤はシャドーのような位置まで進出することが多かったので、その結果として内田と稲垣を縦に引き離して中盤の強度と密度を結果的に落とすような狙いもあったのかもしれない。

(残り 2789文字/全文: 3919文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ