浦レポ by 浦和フットボール通信

「もっとできるのを知っている」の60分間 思い出す大槻さんの言葉【轡田哲朗レッズレビュー/J第24節名古屋戦】

(Report by 轡田哲朗)

中2日でGKを含め9人を変更したスタメン

浦和レッズは6日のリーグ第24節、名古屋グランパス戦に0-3で敗れた。プレビューの時点で、ラスト10試合で順位表のどこにいられるかは割と大事ですよという趣旨のことを記したと思うけれども、暫定2位の柏レイソルと勝ち点10差で同3位のセレッソ大阪と9差。川崎フロンターレは土曜日が終わった時点で3試合少ないことを考えると、本当にギリギリのところかなという数字になった。直接対決が残るので全く無理というわけではないけど、間に挟まったチームの数を考えると厳しいというのが現実で、やっぱり自分たちより下の順位の相手に負けたのはもったいない。

このくらいの時期からの試合は難しいところがあって、8月に入った瞬間から見てルヴァン杯は残り5試合でタイトルに手が届く大会であり、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は3試合で東地区を制してアジア王者に挑むことができる。一方で残り11試合のリーグ戦はチームの根っこにある大事な大会だ。だから、大会ごとに戦略的に捉える部分と「partido a partido」と言って目の前の1試合に全力を尽くしながらやっていく部分とがせめぎ合う。その中で、リカルド・ロドリゲス監督の選択は中2日の試合に対してGKを含む9人のスタメン変更だった。

一方の名古屋は3日のルヴァン杯のゲームでベンチスタートにした主力をスタメンに戻してきた。長谷川健太監督は(浦和戦)2試合目までのメンバーがプランされていると話していたので、ここまでは基本的に予定通りなのだろう。先ほどの話で言うと、戦略的に捉えてメンバー構成を決める要素が強かったようだ。

失点までは準備がピッチに見えたし、悪いものでもなかった

名古屋は3日のゲームで前線の構成をマイボールと相手ボールで変化させつつ、マンツーマンに近い構成を作ってきた。そこで浦和は大きくポジションを動かす選手を出すようなことをしながら打開を図ったが、それをやった時にリスクを背負う部分があるのも事実で、リカさんはこのゲームに関しては2センターバック、2ボランチの四角形を作るようなニュアンスでズレを生じさせるような動かし方になった。全体的には平野佑一がアンカーの位置に入ろうとしつつ、そこに永井が付いてきた時には柴戸がズレて2対1を構成する。永井は柴戸と平野のどちらを見るのかゴチャついた動きが多く、浦和の準備はそれなりに上手くいっていた。

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