浦レポ by 浦和フットボール通信

目先の試合で修正が機能したで良いのか、未来を見ると違うのか【轡田哲朗レッズレビュー/J17節名古屋戦】

(Report by 轡田哲朗)

広島と名古屋を相手に引き分けは、そんなに悪い結果ではない

浦和レッズは5月30日のリーグ第17節、名古屋グランパス戦を0-0で引き分けた。その前のサンフレッチェ広島戦が、順位の近いチームとアウェーで引き分け、この試合は2位と現時点で明らかに上位の相手にホームとはいえ引き分け。そういう意味では、リカルド・ロドリゲス監督も試合後にそのようなニュアンスで話したけれども、「そんなに悪い結果ではない」ということに関しては賛同できると思う。

試合全体を見てみると、浦和は前半にボールを前進させることにちょっと苦しんで、それによって相手ボールの時間も長くなっていってしまったこともあり、後半から交代を伴って人数バランスを調整して戦況は好転。ただ、それで決定的に優位に立つまではいかず、名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督も中盤を1枚増やして対応。結果的に、互いに相手を決定的に上回るほどの部分を出せず引き分けたというのが大雑把な流れだと言えるだろう。

だから、今季ここまで何度も取り上げてきたように、リカさんの修正力が光ったという側面はある。ただ、前半の人数バランスを見た時に、後半に対して「過剰なプラス1人」を作って安定させただけになったという感は拭えなかった。試合後の記者会見でそれっぽいことを聞いてはみたものの、ちょっとうまいこと伝わらなかったような気がしている。そのことについては「少ない状況でよりアイソレーション、ではないですけど、人が離れた状態でよりスペースを作るというのも、もちろんあると思う」ということだった。これについては、通訳をしてくれた小幡直嗣コーチが、何とかうまく伝えようとしてくれているのを感じたので、せめてもの後半部分の答えが返ってきたのはありがたかった。

今のチームが抱える課題が見やすかった前半8分から9分の場面

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