浦レポ by 浦和フットボール通信

開幕戦に勝利も笑顔なき楠瀬監督が挙げた課題とは【河合貴子 試合のポイント/WEリーグ第1節長野戦】

(Report by 河合貴子)

WEリーグ2シーズン目が開幕

新たな女達の闘いの火蓋が切られた。ついに2022-23Yogibo WEリーグが開幕を迎えた。前哨戦ともいえるカップ戦で優勝した三菱重工浦和レッズレディースは、ホーム埼玉スタジアムでAC長野パルセイロ・レディース戦に挑み、3-2で勝利を収めた。だが、指揮官である楠瀬監督には笑顔がなかった。「こちらとしてはしっくりこない、締まりのないゲームになってしまった」と険しい表情を浮かべた。

試合開始から主導権を握った浦和は、5分に長野のスローインを柴田華絵選手が競り勝ち塩越柚歩選手へと繋ぐと、塩越選手、清家貴子選手、猶本光選手と浦女らしいテンポの良いダイレクトパスから、再び塩越選手がボールを受けるとそのままゴールへと攻め上がりスキルの高いドリブルシュートが決まり幸先の良いスタートを切った。

さらに、11分には前線からの激しいプレスでボールを奪い返し、猶本選手が放ったシュートのこぼれ球をエリア内で拾った清家選手が素早く放ったシュートがクロスバーに直撃しながらゴールへと吸い込まれていった。

清家選手は「自分の前にボールがこぼれてきて、もしかしたら今までだったらあそこに突っ込んではいかなかったかもしれないが、ここ最近は自分の中で『得点したい』という強い思いがあったので、そこをしっかり詰めて、振り向きざまでも入るなと思ったので、打ってみました」とニンマリとしながらゴールシーンを振り返った。

2-0とリードした浦和は、さらに攻守の切り替えも素早く厚みのある攻撃を仕掛けていった。ここまでは、理想通りの展開であった。

16分、長野のゴールキックからのこぼれ球を石川璃音選手がバックパスをしようとしたところを川船選手にスピードを生かして狙われ、そのままゴールへと冷静に流し込まれてしまった。正直、もったいない失点であった。逆に長野の田代監督は「川船選手をスタートから起用したのは“スピードで相手の背後を突くプレー”を期待しました。イメージ通りの得点だった」と狙いが的中したゴールであった。

(残り 2283文字/全文: 3147文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ