【島崎英純】2023FIFAクラブワールドカップ準決勝/浦和レッズvsマンチェスター・シティ・試合レビュー『世界基準との遭遇。その尊き経験。そして見据える未来』

©Yuichiro Okinaga

研究を尽くして

FIFAクラブワールドカップ準決勝、UEFAチャンピオンズリーグ王者のマンチェスター・シティと対峙した浦和レッズは同準々決勝のクラブ・レオン戦と全く同じスターティングメンバーが出撃した。マチェイ・スコルジャ監督はレオン戦の試合内容を高く評価したのだろうし、実際に浦和は中南米王者に対して互角の展開に持ち込み、むしろ後半は一気にギアチェンジしてゲームを支配した末に完勝しただけに、『世界最強』と目される相手にも十分対抗できると判断して今回の試合に臨んだのだろう。

浦和のシステムは定型の4-2-3-1で、GKは西川周作、4バックは右から関根貴大、アレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテン、明本考浩のセット。関根と明本はレオン戦で足を痛める素振りを見せて途中交代していたためにコンディションが憂慮されたが、無事に再び先発を飾れたのは大きかった。試合後に振り返ってみれば、プレーインテンシティの高い彼らが難敵の相手ウイングと一定程度バトルできたからこそ、少なからず拮抗した時間帯を築けたとも思う。

そしてダブルボランチは岩尾憲と伊藤敦樹のコンビで、こちらは鉄板だ。また2列目は右から大久保智明、安居海渡、小泉佳穂というプレーにバリエーションを付けられる布陣。そして1トップにはエースストライカーのホセ・カンテが立った。

一方のマンチェスター・Cは国内のプレミアリーグ第17節・クリスタル・パレス戦から中2日、しかもイングランドからサウジアラビアへの長距離移動という多大なハンディを負ったうえで浦和戦に臨んだ。敵将のジョゼップ・グアルディオラ監督は当然、金曜日に予定されている同大会決勝をも見据えてチーム編成を熟慮していただろう。そのうえで、浦和戦で先発を飾ったメンバーは意外にも現状のベストに近い布陣だった。

システムはここ数試合の公式戦で用いられている4-2-3-1で、GKは正守護神のエデルソン、4バックは右からマヌエル・アカンジ、ナタン・アケ、ジョン・ストーンズ、カイル・ウォーカー。ダブルボランチはロドリとマテオ・コバチッチが組み、右にベルナルド・シウバ、トップ下にマテウス・ヌネス、左にジャック・グリーリッシュか。そして1トップは偽9番的にフィル・フォーデンが据えられたが、このチームは前線のユニットが不規則なポジションを取るため、額面通りに各ポジションを受け止めてはならない。

【2023FIFAクラブワールドカップ準決勝/浦和レッズvsマンチェスター・シティ・スターティングメンバー】

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