【島崎英純】2023FIFAクラブワールドカップ/浦和レッズvsクラブ・レオン・試合レビュー『浦和、鮮やかに初戦突破! 中南米の雄をねじ伏せる!』

©Yuichiro Okinaga

サウジの芝、メキシコのインテンシティ

シーズン最終盤に入り、今の浦和レッズが満身創痍の状態であることに変わりはない。チームは今週始めにFIFAクラブワールドカップの開催地であるサウジアラビア・ジェッダに入り、慎重かつ細心に試合への準備を進めてきたが、その準々決勝、クラブ・レオン(以下、レオン)戦の当日になって帯同していたFW髙橋利樹の実践でのプレーが困難であると判断された。髙橋は16日前のAFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第5節・武漢三鎮戦で相手のチャージに遭って頭を強打し、脳震盪の疑いで病院で診察を受け、その後は回復プログラムに沿ってリハビリを進めてきた。彼はサウジアラビアにも23人の登録メンバーの一人として赴き、全体練習をこなしていたが、クラブワールドカップの対戦相手の力量やプレー強度を鑑みて早期復帰に待ったが掛かった。そしてチームは、登録メンバー外ながらもチームに帯同していたキャプテンの酒井宏樹を新たにメンバーに加えてレオン戦に臨んだ。ただし酒井は既報の通り11月6日に右膝半月板損傷の手術を受けて全治3か月と診断されており、当然試合出場は叶わないと目されていた。

そんな中、マチェイ・スコルジャ監督は現状で編成できるベストのメンバーをピッチへ送り出したと思う。GK西川周作、CBマリウス・ホイブラーテン&アレクサンダー・ショルツはもはや鉄板で、コントロールタワーの岩尾憲も当然先発に名を連ねた。早期復帰を果たした伊藤敦樹もスタメンを飾ったのは良いニュースで、2列目に大久保智明、安居海渡、小泉佳穂が並んだのも十分に納得できる。懸念材料はサイドバックで、こちらは右に関根貴大、左に明本考浩というプレーインテンシティの高い選手を置いた点に『世界大会仕様』を感じた。1トップのホセ・カンテは自身の現役生活の有終の美を飾る決意の出陣で、このメンバーで中南米王者のレオンに立ち向かうことに、筆者自身も何の違和感も覚えなかった。

【2023FIFAクラブワールドカップ準々決勝/浦和レッズvsクラブ・レオン・スターティングメンバー】

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