【島崎英純】2023YBCルヴァンカップ・グループステージ第4節/浦和レッズvs湘南ベルマーレ・試合レビュー『それぞれに個性を発揮するも、ルヴァンカップ4戦連続ドロー』

©Yuichiro Okinaga

コンパクトな湘南

YBCルヴァンカップ仕様の浦和レッズはリーグ戦で出場機会が限られる中でもモチベーションを保って虎視眈々とチーム内の序列を変化させる意欲に溢れるフレッシュなメンバーが名を連ねた。

GK鈴木彩艶は高い牙城を誇る西川周作を追随する逸材で、センターバックの犬飼智也と岩波拓也はJ1でも十分トップレベルでプレーできる日本人デュオだ。平野佑一と柴戸海のダブルボランチはそれぞれが異なる個性を有しながらもチーム戦術を促進させられるペアで、両サイドバックの馬渡和彰と大畑歩夢はマチェイ・スコルジャ監督が求める攻守両面での積極的関与をしっかり理解している選手たち。そしてトップ下の安居海渡は突出したベーシックスキルを駆使して新境地を開拓したレギュラー奪取候補一番手である。

そして個人的な最注目は安居を含めた今回の攻撃ユニットだ。右MFダヴィド・モーベルグの復調、1トップ・ホセ・カンテのチームへのフィットと、このふたりの外国人選手は今季序盤の大一番となるAFCチャンピオンズリーグ決勝のアル・ヒラル戦をも見据えた注目の先発出場となった。そしてもうひとり、浦和ユース所属ながらも2種登録でルヴァンカップ・グループステージ第3節・川崎フロンターレ戦で途中出場からトップチームデビューを果たした17歳の早川隼平が初スタメンを飾り、彼が左MFのポジションでどんなプレーパフォーマンスを見せるのかに着目した。

一方の湘南も直近のリーグ戦から9人のメンバーを入れ替えるターンオーバーを敷いたが、山口智監督が志向する『湘南スタイル』は揺るぎなかった。特に前半途中までの彼らは独特な3-1-4-2システムを駆使しながらハイライン、コンパクトネスな陣形を保ち、浦和の選手たちに強烈なプレッシャーを与えた。

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