【コラム】思い出の街、熱狂のスタジアム-第3回・東京都調布市『味の素スタジアム』

 サッカーの楽しみはピッチ上だけにあるのではなく、訪れる街やスタジアムにも独特の空気感や雰囲気、そして大いなる魅力があると思っています。このコラムでは、これまで訪れた多くの街やスタジアムについて、そしてその場所で経験した出来事などを緩く、マイペースに綴っていきたいと思います。この文章を機に、皆さんが、これまで訪れた場所に思いを馳せることができたら幸いです。

東京都調布市『味の素スタジアム』

ここにはお得意様がいます

 私事で恐縮ですが、僕は東京都の杉並区生まれらしいです。『らしい』というのは、僕にその記憶が全く無いからです。両親はその後、杉並から埼玉県大宮市、東京都練馬区と住居を変え、僕が小学校へ進学する時期に東京都の小金井市というところに移り住みました。僕はここで高校卒業までの約12年間を過ごしたので、実質的に故郷のような存在が何処かと思えば、この小金井市が最も思い出深い街になります。

 僕が住んでいた場所の最寄り駅はJR中央線の武蔵小金井駅で、高校時代までの僕の活動範囲はこの周辺に限られていました。いわゆる鉄道は中央線か、もしくは西国分寺駅を通る武蔵野線、または国分寺駅から伸びる西武国分寺線を利用しましたが、大抵は自転車で様々なところを巡っていました。当時のこの界隈は横方向の交通網は鉄道が発達していたのですが、縦方向はバスを利用するしかなかったりして、東京都下を横縞模様のように伸びる中央線、西武新宿線、西武池袋線、京王線、小田急線などとの接続がなかなかに難しく、子どもだった僕は煩わしいので小回りの利く自転車を多用していたんだと思います。

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