【無料記事】甲府戦に向けて最終調整。再びの過密日程に臨む【2016浦和レッズ・大原レポート】

浦和レッズはJリーグ1stステージ第5節のヴァンフォーレ甲府戦に向けて、大原グラウンドで練習を行った。

 

この日の練習には所属選手全員が参加したが、U-19日本代表のバーレーン遠征から戻ったばかりの伊藤涼太郎に加えて阿部勇樹、森脇良太の計3人がミニゲームを回避して別メニュー調整に努めた。浦和は明日の甲府戦に続き中3日でAFCアジア・チャンピオンズリーグ・グループリーグ第4節の広州恒大戦、そして中4日でJリーグ1stステージ第6節・横浜F・マリノス戦が控えている。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は過密日程を加味して選手陣容を熟慮していると思われ、明日のゲームでも誰が先発でピッチに立つのか流動的な情勢だ。

試合前日の練習で特に目立った動きを見せたのはU-23日本代表のポルトガル遠征から帰国したばかりの関根貴大、今季ACLグループリーグ第2節・浦項スティーラーズ戦のみの公式戦出場に留まっている高木俊幸のふたりだ。他に森脇の代わりに明日のゲームに出場する可能性のある永田充や橋本和のディフェンダー陣も万全の状態をアピールしており、誰がピッチに立っても好パフォーマンスを発揮する態勢が整えられている。

明日の対戦相手である甲府は直近3年間の浦和とのアウェー戦でいずれもドローに持ち込んでいる実績がある。埼玉スタジアムには多数の浦和サポーターが詰め掛け、甲府にとっては絶対アウェーの状況だが、逆に相手にとっては専守防衛の割り切り策が芽生え、チーム全体の共通認識が高まる傾向が見られる。また甲府にはクリスティアーノという能力値の高い外国籍アタッカーがおり、数少ないカウンターチャンスをモノにする武器を有している。浦和には相手の速攻に警戒しなければならない素地が十分あるわけだ。

一方で、浦和はリーグタイトル獲得のためにもホーム戦での勝利、勝ち点3奪取が求められている。相手が仕掛けず受動的な素振りを崩さなくても、浦和は堅牢な相手守備ブロックを打ち破るために能動的なアクションを起こさねばならない。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督も前日会見でこの点を憂慮しており(別項を参照)、勝利を掴む過程での困難を指摘している。

それでも浦和は明日のゲームで必勝を期さねばならない。光明は1トップ・興梠慎三、2シャドー・武藤雄樹&李忠成が形成する前線トライアングルのスーパーコンビネーション、宇賀神友弥、梅崎司(あるいは関根)が仕掛けるサイドからの単独突破、ボランチの位置から相手ゴールへ飛び込む柏木陽介、阿部勇樹(あるいは青木拓矢)のプレーアクション、そして槙野智章に代表される最後尾からの迫力あるオーバーラップなど、数多くの攻撃手段が殺傷能力を増していることだ。隙間を生まない甲府守備網を丹念に攻略し、必殺のパターン攻撃で風穴を開けられるか。明日の浦和には辛抱とリスクの両輪を求められ、しかも勝利を掴むという最大のタスクが課せられている。

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