【無料記事】過密日程を乗り切るために【2016浦和レッズ・大原レポート】

阿部勇樹が別メニュー調整

浦和はJリーグ1stステージ第4節の湘南ベルマーレ戦に向けて、大原グラウンドで練習を行った。

試合前日のトレーニングでは長らくコンディション調整中のブランコ・イリッチがこの日も別メニューで全体練習に不参加。また阿部勇樹もAFCアジア・チャンピオンズリーグ・グループリーグ第3節・広州恒大戦でフル出場した疲れからか、全体練習から外れてジョギング、ダッシュ、ステップワークなどの別コンディション調整に留まった。しかし阿部はキャプテンとしてチームの中核を担う最重要プレーヤーであるため、少なくとも明日の試合はベンチ入り、もしくはスタメン出場する可能性もあるだろう。

練習は午後12時から開始。朝から降り続いていた雨は止み、気温12度前後、無風状態のコンディションの中で、チームは通常通り鳥かご、パスワークなどのルーティーンをこなした後、本番を想定したミニゲームを実施した。チームの組み分けは以下の通りだ。

Aチームが明日の先発候補か。1トップは広州恒大戦で途中出場し、後半アディショナルタイムに同点ゴールを決めた興梠慎三が入った。また同じく広州恒大戦途中出場の李忠成がシャドーで武藤雄樹と組んでいる。興梠、李、武藤の前線トライアングルは現状におけるベストマッチと考えられ、過密日程がひとまず終了する明日の湘南戦は、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が考える最適布陣で臨むと思われる。

その論旨は前線以下の陣容からも読み取れる。サイドには広州恒大戦で途中交代した宇賀神友弥と、中国へ帯同せずにコンディション維持に努めた関根貴大が入っていた。ボランチは別メニューだった阿部に代わって青木拓矢と日本代表に選出された柏木陽介のコンビ。そしてバックラインはここ数戦と同じくリベロ・遠藤航、左ストッパー・槙野智章、右ストッパー・森脇良太が並んだ。

ミニゲームの様子を端的に評すると、やはり過密日程によるチーム全体の疲労は色濃く、選手同士が盛んに声出ししながらもパスが通らない場面が目についた。ミニゲームの最後は必ず「ラストゴール!」という杉浦大輔コーチの掛け声をきっかけにどちらかのチームがゴールした瞬間に終了するのが常だが、今回は興梠が絶好機でシュートをゴールバー上にふかすプレーで練習終了となり、好機を逸した興梠は大の字になってしばらくその場から動くことができなかった。

またBチームの1トップに入っていたズラタンがプレー中にヘディングをした際に腰の痛みを訴え、練習途中にロッカールームへ引き上げた(代わりに、人数の関係で別メニューだった伊藤涼太郎が入った)。ズラタンのケガの状況は軽微だとのことだが、明日の状態を見極めて試合出場の可否が決まると思われる。

明日の対戦相手である湘南はJリーグ随一の運動量を駆使してアグレッシブに襲い掛かる危険なチームだ。浦和は厳しい日程条件の中で、それでもアウェーの一戦で確実に結果を残さねばならない。

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