無料記事:浦和レッズ・鹿児島キャンプレポート第5日(2016/2/4)

午前午後の2部練習を実施

浦和レッズは鹿児島キャンプ5日目の今日、鹿児島県指宿市の指宿いわさきホテル内サッカー場で午前午後の2部練習を実施した。

本日の鹿児島県指宿地方は昨日と同じく穏やかな晴れで、午後からは薄曇りとなったが、良好なコンディションが保たれ、絶好の練習日和となった。

この日の午前練習からJリーグ新人研修に参加していた福島春樹と伊藤涼太郎が合流。そして駒井善成(両脛の痛み)、青木拓矢(左足ハムストリング肉離れ)、柏木陽介(左膝)の前日別メニュー組もフィジカルトレーニングに参加し、高木俊幸も後述する『1対1&全力ダッシュ』から通常練習に合流した。一方で、『1対1&全力ダッシュ』からブランコ・イリッチ、那須大亮、柏木、駒井が外れており、ここに来て選手個々のコンディションを見極めて独自調整する姿が目立つようになってきた。また、今日から法政大学サッカー部3年生のDF山田将之選手、MF永戸勝也選手のふたりが練習に参加している。

9時30分からの午前練習では野崎信行トレーナー主導の下でフィジカルトレーニングが行われた。野崎トレーナーが課す体幹メニュー、心肺機能向上メニューは身体への負担が高く、例年では第一次キャンプで集中して行い、第二次キャンプの鹿児島では負荷が軽くなるのが常だったが、今回は第二次キャンプ5日目の段階でも体力アップを名目としたハードメニューが組まれた。その内容は、目印を置いてジグザグに走るサーキットトレーニング、そして鹿児島キャンプ2日目でも実施された、グラウンド四隅に1対1のスペースを設けて30秒間のバトルを繰り広げた後、野崎トレーナーの合図でグラウンドの二辺を全力ダッシュするというものである。この『1対1&全力ダッシュ』は1対1のバトル30秒間×2を1セットとして、総計3セット行われた。メニューを終えた選手は一斉に倒れ込み、かなりの疲労が蓄積されたのは必至だ。しかし練習後には「誰が一番頑張ったか」を選手同士で言い合うなど、厳しい内容ながらも向上心溢れる雰囲気を醸し出していた。

そして午後練習は通常通り15時30分前後から開始された。この午後練習では駒井と青木が別メニューとなり、その他の選手は鳥かご、3人一組でのパス回しの後、すぐさまミニゲームへと突入したが、この時点で那須と平川忠亮が全体練習から外れ、その後、永田充がミニゲームの途中で別メニュー、入れ替わりで平川がミニゲームに参加した。

ミニゲームのチーム分けは以下の通りだ。

高木がミニゲームに参加

朗報は昨日まで別メニュー調整を強いられていた高木がミニゲームに参加したことだ。高木は首を痛めていたが、ようやく痛みが引いて実践メニューに加わることができた。本人に直接聞いたところ、「ほとんど大丈夫です。少し痛みはありますけども、もうプレーに支障はありません」とのことだ。そして柏木もこのミニゲームで元気にプレーし、まだ完調ではないものの、マイペース調整で徐々に感覚を取り戻しつつある。

また、今日から福島、伊藤がチームへ戻り、大学生の練習生ふたりが加わったことで、ようやく11対11のミニゲームを組むことができた。関根、伊藤のボランチ、加賀のサイドアタッカーなど、チーム構成上の都合で本来のポジションでプレーしなかった選手もいるが、ここにきてチームの陣容が揃いつつある。

このミニゲームで一際目立ったのはチーム合流直後の伊藤だった。沖縄キャンプでも物怖じせずにテクニック溢れるプレーを見せていたが、この日は卓越した視野とシンプルなパスワーク、そして技巧的なフィニッシュ能力をまざまざと見せつけた。圧巻だったのはエリア中央でGK大谷幸輝の位置取りを見極めて放った左足ループシュート、そしてゴール前の至近距離でわざと空振りしてGK大谷のタイミングを外し、あざ笑うかのように決めたノールックシュートである。不遜というか、落ち着き払っているというか、その大物感漂うプレーに思わずミハイロ・ペトロヴィッチ監督も「ブラーボ!」と声を上げたほどだ。伊藤はまだ身体の線が細く、フィジカルで相手に吹き飛ばされることもあるが、潜在能力はプロの世界で十分戦える素地がある。これから基礎体力さえ備われば、近い将来にトップチームで出場を果たすのは間違いないだろう。

この日のミニゲームは昨日実施された戦術トレーニングを踏襲したもので、明日実施される予定の柏レイソルとのトレーニングマッチを想定した真剣な内容となった。明日の相手は今季に入って初めてのJ1クラブとの一戦となる。実力拮抗の対戦相手に対して現状の浦和がどの程度戦えるのか。柏との一戦を経て、今後のキャンプの練習メニューにも精査が加えられるだろう。また、このあたりから徐々にチーム内の選手の序列が定まってくるとも思われる。

明日の柏とのトレーニングマッチは30分×4本で行われる予定だ。そのトレーニングマッチの模様は明日、『浦研プラス』で詳細にレポートする。

(了)

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