【島崎英純】2012天皇杯2回戦・ヴォルカ鹿児島戦レビュー(2012/9/9)

鹿児島の浦和対策

浦和レッズの選手たちは皆、「昼間の暑いコンディションは相手も同じ」という言葉を繰り返した。しかし、32.9度の蒸し暑い気候に苦しんだのは間違いなく浦和の方で、前半に限ってはプレー内容が非常に緩慢だった。

ヴォルカ鹿児島が通常どのようなシステムを採用しているのか取材が出来ていないので詳しい分析はできないが、とりあえず彼らは3-6-1のようなフォーメーションを形成してきた。そして主に両翼がバックラインに吸収される5バックを築き上げて浦和の攻撃を受け止めた。浦和が1トップとインサイドハーフふたり、そして両翼が最前線に張り出して5トップを構築するのは有名な話なので、これを抑えるために5バック、そしてマンマーキングを徹底したのではないかと思う。これによってヴォルカ鹿児島の攻撃策はカウンター一本に委ねられるわけだが、それでも無難な守備戦術を採用することで特殊な浦和の攻撃パターンをとりあえず封じられるわけで、理に適っている。ちなみにミシャ監督の戦術は相手にこんな対応策を取られると力量差とは関係なく苦戦することを今季のJリーグのいくつかのゲームでも示している。

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