【島崎英純】2012Jリーグ第27節・柏戦レビュー(2012/9/30)

ガンバ大阪戦で得た教訓

Jリーグ第25節の横浜F・マリノス戦で逆転勝ちした直後のチームは夢見心地だった。選手たちの声は上ずっていたし、破顔一笑で質問に応える選手たちの姿が数多かったのを覚えている。私も少々浮かれ気味で、この時点で優勝戦線に勇躍参戦した高揚感に酔いしれたのを覚えている。

浦和は今回も逆転勝ちした。ホームの柏レイソルに先制される非常に厳しい展開。しかも相手CKのセットプレーを不運な形で永田充がコンタクトしてしまい、彼の背中に当たったボールがバーに当たって浦和ゴールに吸い込まれてしまったのはダメージが大きかったはずだ。しかし浦和は落ち着いて挽回し、前半のうちに追いつき、後半アディショナルタイムにポポのゴールで勝ち越して勝ち点3を奪った。

しかし、そんな劇的な展開だったのにも関らず、ほとんどの選手は試合後に厳しい表情を崩さなかった。それはおそらく、前節のガンバ大阪戦で得た教訓が生きている証拠だ。リーグ戦はまだまだ長い。一喜一憂することなく自らの立場を認識し、粛々と仕事をこなす。たった一試合の勝利は、気を抜いた末の敗戦で帳消しになる。それを肝に命じたからこそ、浦和は今回、厳しい国立のゲームを堂々と乗り越えられたのだと思う。

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